The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 25, 2010
Vol. 362 No. 12

ORIGINAL ARTICLE

  • 肝性脳症に対するリファキシミン投与
    Rifaximin Treatment in Hepatic Encephalopathy

    慢性肝疾患による反復性肝性脳症の既往のある患者を対象としたこのプラセボ対照無作為化試験では,リファキシミン投与(550 mg,1 日 2 回)により,肝性脳症エピソードと肝性脳症に関連する入院が予防された.

  • 非アルコール性脂肪肝におけるアポリポ蛋白 C3 遺伝子変異
    Apolipoprotein C3 Gene Variants in Nonalcoholic Fatty Liver Disease

    インド人男性 95 人において,アポリポ蛋白 C3 遺伝子の一塩基多型の遺伝子型を決定し,高トリグリセリド血症と関連する変異対立遺伝子を検出した.変異対立遺伝子保有者では,野生型ホモ接合体保有者に比べて,血漿アポリポ蛋白 C3 濃度が高く,血漿トリグリセリドのクリアランスが低かった.非アルコール性脂肪肝は変異対立遺伝子保有者の 38%に認められたが,野生型ホモ接合体保有者では 0%であった.この結果は非インド人男性 163 人で確認された.

  • 中国の男女における糖尿病有病率
    Prevalence of Diabetes among Men and Women in China

    この論文では,2007~08 年に実施された中国人成人の糖尿病有病率を推定した「中国糖尿病・代謝障害研究」の結果を報告している.中国では,糖尿病が重大な公衆衛生問題の一つになっていることが示された.

BRIEF REPORT

  • NaPi-IIa の機能喪失変異と腎ファンコニー症候群
    A Loss-of-Function Mutation in NaPi-IIa and Renal Fanconi's Syndrome

    常染色体劣性腎ファンコニー症候群と低リン酸血性くる病を有する血縁家族の 2 人のきょうだいは,腎臓のナトリウムリン酸共輸送体 NaPi-IIa をコードする遺伝子である SLC34A1 内に,21bp のホモ接合のインフレーム重複があることが判明した.この変異があると,輸送体が細胞膜に達しないため NaPi-IIa は機能を完全に喪失する.これらの知見は,ヒト NaPi-IIa の障害により,腎臓のリン酸再吸収と近位尿細管機能の全体が大きく低下することを示している.

SPECIAL ARTICLE

  • 頻度の高い 3 つの内科的疾患の病院の症例数と 30 日死亡率の関連
    Hospital Volume and 30-Day Mortality for Three Common Medical Conditions

    病院の症例数と死亡率との関連は,一部の外科手技では確立されているが,内科的疾患では明らかにされていない.急性心筋梗塞,心不全,肺炎のいずれかで入院したメディケア受給者の保険請求に関するこの解析では,入院する病院の症例数が多いほど,死亡率が低くなるという関連が認められた.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 脳転移を管理するための定位手術的照射
    Stereotactic Radiosurgery for the Management of Brain Metastases

    肺癌の既往のある 50 歳の男性が,頭痛と右腕のしびれで受診したところ,単一の脳転移が認められた.治療の一環として定位手術的照射が推奨される.定位手術的照射は,狭い範囲に複数の放射線を集中照射し 1 個から数個の巣状病変を治療するため,周辺組織への影響は最小限である.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 感覚異常と運動失調を呈する女性
    A Woman with Paresthesias and Ataxia

    37 歳の右利きの女性が,7 ヵ月前から間欠的な感覚異常があり,その後発語不明瞭,頭痛,運動失調,認知障害が生じたため入院した.コルチコステロイド,ベラパミル,アザチオプリンによる治療ではほとんど改善がみられなかった.画像診断で,大脳・小脳に白質病変が認められた.歩行障害,ふらつき,幻視が発現した.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • イソクエン酸デヒドロゲナーゼと神経膠腫
    Isocitrate Dehydrogenase and Glioma

    イソクエン酸デヒドロゲナーゼをコードする IDH1 の変異は,神経膠腫への感受性に関連している.この変異により獲得される酵素活性は,変異腫瘍のバイオマーカーとなる可能性がある.