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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 17, 2010
Vol. 362 No. 24

ORIGINAL ARTICLE

  • 新たに慢性骨髄性白血病と診断された患者に対するニロチニブとイマチニブの比較
    Nilotinib vs. Imatinib for Newly Diagnosed CML

  • 新たに慢性期慢性骨髄性白血病と診断された患者に対するダサチニブとイマチニブの比較
    Dasatinib vs. Imatinib in Newly Diagnosed Chronic-Phase CML

    慢性骨髄性白血病(CML)の治療は,BCR-ABL キナーゼ阻害薬イマチニブの開発により飛躍的に向上した.イマチニブの化学構造を改変することにより,in vitro でより強力に作用する薬剤が開発された.これらの研究では,新規第 2 世代 BCR-ABL キナーゼ阻害薬であるニロチニブとダサチニブをイマチニブと比較検討した.これらの新薬では,完全寛解率がイマチニブよりも高く,完全寛解達成までの期間も短かった.両剤により移行期・急性転化への進行率も低下するようである.

  • HIV-1 伝播減少のための抗レトロウイルス薬の母親への投与と乳児への投与の比較
    Maternal or Infant Antiretroviral Drugs to Reduce HIV-1 Transmission

    世界で年間約 200,000 人の乳幼児が,授乳によってヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)に感染している.このマラウイの母児 2,369 組を対象にした無作為化試験において,出生後 6 ヵ月まで母親に行う抗レトロウイルスレジメンと,児に行うネビラピン投与を比較した結果,いずれも授乳期における母親からの HIV-1 伝播を有意に減少させた.

  • ボツワナでの妊娠中および授乳期間中の抗レトロウイルス療法
    Antiretroviral Regimens in Pregnancy and Breast-Feeding in Botswana

    ボツワナで行われたこの二重盲検無作為化試験では,HIV-1 に感染した CD4+数が 200 以上の妊娠女性に対し,産後 6 ヵ月(離乳まで)のあいだ,2 つの高活性抗レトロウイルスレジメンの効果を比較した.いずれのレジメンも高い効果を示し,母親の HIV-1 ウイルス負荷量と母児感染が抑制され,全感染率は 1.1%であった.

MECHANISMS OF DISEASE

  • ニコチン依存症
    Nicotine Addiction

    この総説では,たばこを効率の高いニコチン送達システムとして解説し,ニコチンがどのように満足感をもたらし,ストレスや不安を軽減し,喫煙への依存性をもたらすかを説明している.ニコチン依存症は脳への影響に起因するものであるが,学習要因・条件要因,遺伝的性質,社会条件・環境条件の影響も受けている.

INTERACTIVE MEDICAL CASE

  • はやまった仮説
    A Rash Hypothesis

    40 歳の女性が,下痢で主治医を受診した.女性は 2 年間軟便が続き,この 6 ヵ月で悪化し大量の水様便が 1 日に 15 回出るようになった.あなたならどのような診断と治療処置を選択しますか? NEJM.org において,この症例の検査を指示してご自身の診断・治療技術を確認し,ほかの方と比較してください.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 抗レトロウイルス薬療法を行っても HIV RNA 量が上昇する男児
    A Boy with Elevated HIV RNA Levels Despite Antiretroviral Medications

    7 歳の男児が,HIV-1 感染の治療のため受診した.男児は 3 歳のときに肺結核と診断され,5 歳で HIV-1 感染と診断された.19 ヵ月間の治療にもかかわらず,ウイルス血症が持続した.診断検査が行われ,治療の意思決定がなされた.

HEALTH LAW, ETHICS, AND HUMAN RIGHTS

  • 公営住宅における喫煙規制
    Regulation of Smoking in Public Housing

    住宅都市開発省は,公営住宅公社に公営住宅での喫煙制限を奨励する覚書を発表した.この論文では,喫煙規制関連の現行法を検討し考察している.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • Wnt シグナルと急性骨髄性白血病
    Wnt Signaling and Acute Myeloid Leukemia

    急性骨髄性白血病の 2 つのモデルマウスにおいて,Wnt シグナリングは白血病の誘発にきわめて重要であることが示された.