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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 4, 2010
Vol. 362 No. 9

ORIGINAL ARTICLE

  • ショックの治療におけるドパミンとノルエピネフリンの比較
    Dopamine vs. Norepinephrine for Shock

    この有効性比較試験では,ショックに対し,ドパミン投与を受けた患者とノルエピネフリン投与を受けた患者とで,全生存率に有意差は認められなかった.しかし,ドパミン投与には,不整脈の発生率と心原性ショック患者における死亡率の上昇との関連が認められた.

  • 小児欠神てんかんにおけるエトスクシミド,バルプロ酸,ラモトリギン
    Ethosuximide, Valproic Acid, and Lamotrigine in Childhood Absence Epilepsy

    小児欠神てんかんに対する 3 種類の一般的な治療薬に関するこの無作為化試験では,エトスクシミドとバルプロ酸がラモトリギンより有効であった.注意力への有害作用の発生頻度は,エトスクシミドのほうがバルプロ酸より低かった.これらの結果は,エトスクシミドの有効性と安全性の特性プロファイルが最良であることを示している.

  • 非糖尿病成人における糖化ヘモグロビン値と糖尿病・心血管疾患のリスク
    Glycated Hemoglobin, Diabetes, and Cardiovascular Risk in Nondiabetic Adults

    この非糖尿病成人を対象とした地域ベースの研究では,糖尿病などの臨床転帰のリスクを有する成人の同定に対する,糖化ヘモグロビン値と空腹時血糖値の予後予測能を比較した.糖化ヘモグロビン値は,糖尿病リスクについて空腹時血糖値と同程度の相関を示し,心血管疾患リスクと全死因死亡リスクについてはより強い相関を示した.この結果は,糖尿病診断における糖化ヘモグロビン値の使用を強く支持するものである.

  • HIV 感染成人における肺炎球菌結合型ワクチン
    Pneumococcal Conjugate Vaccine in HIV-Infected Adults

    肺炎球菌感染症は,とくにアフリカでは,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染成人に死亡や合併症をもたらす重大な原因である.このプラセボ対照無作為化試験は,侵襲性肺炎球菌感染症に最近罹患した既往がある,主に HIV に感染したマラウイの成人 496 例を対象に行われた.7 価肺炎球菌結合型ワクチンは,その後のワクチンに関連した血清型による侵襲性肺炎球菌感染症の予防に 74%の有効性を示した.

REVIEW ARTICLES

  • 肝硬変における静脈瘤と静脈瘤出血の管理
    Management of Varices and Variceal Hemorrhage in Cirrhosis

    肝硬変患者のほぼ半数には診断時に食道・胃静脈瘤がみられ,静脈瘤出血は依然として肝硬変の致死的な合併症となっている.この総説では,臨床管理における 3 つの主要な課題,すなわち最初の出血を防ぐための一次予防,急性の出血に対する治療,静脈瘤出血の再発を防ぐための二次予防について論じている.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 診断を徹底追跡する
    Stalking the Diagnosis

    58 歳の女性が,数日間にわたりめまい,食欲不振,口腔乾燥,口渇の増強,頻尿を呈したためプライマリケア医を受診した.発熱がみられ,嚥下時に食物がつかえるといい,腹部・背部・側腹部の痛みや,咳嗽,息切れ,下痢,排尿障害はないという.

SOUNDING BOARD

  • 患者の人種・民族に関するデータの収集
    Collection of Data on Patients' Race and Ethnic Group

    著者らは,診療時には患者の人種・民族に関するデータをルーチンに収集すべきであると主張している.これらのデータから健康に関連する価値観や信条を推測することのないよう警告したうえで,ケアの格差を見出しその質を向上させるため集団レベルで用いることの有益性を論じている.