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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
November 8, 2012
Vol. 367 No. 19
ORIGINAL ARTICLE
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HER2 陽性乳癌に対するトラスツズマブエムタンシン
Trastuzumab Emtansine in HER2-Positive Breast Cancerトラスツズマブとタキサン系薬剤による治療中に進行した転移性乳癌女性を,ラパチニブ+カペシタビン群またはトラスツズマブエムタンシン群に割り付けた.奏効率と生存期間はトラスツズマブエムタンシン群のほうが有意に良好であった.
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スタチン使用者における癌関連死亡率の低下
Reduced Cancer-Related Mortality among Statin Usersデンマークの住民登録の研究により,癌診断前のスタチン使用により,種々の癌について癌関連死亡率が 15%低下したことが示された.
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尿失禁に対する抗コリン薬とオナボツリヌス毒素 A との比較
Anticholinergics vs. OnabotulinumtoxinA for Incontinenceオナボツリヌス毒素 A と抗コリン薬との比較試験において,切迫性尿失禁の頻度は両群で減少した.尿閉と尿路感染症の発生率はオナボツリヌス毒素 A 群のほうが高かったが,口渇の発生頻度は抗コリン薬群のほうが高かった.
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短報:サウジアラビアにおける新型コロナウイルス
Brief Report: Novel Coronavirus in Saudi Arabia2012 年 6 月 24 日,サウジアラビアで 60 歳の男性が進行性の呼吸器感染症により死亡した.この重症疾患の可能性のある原因として,新型のコロナウイルスが同定された.その後,このコロナウイルスに関連する重症疾患に罹患した 2 人目の患者が報告された.
SPECIAL ARTICLE
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イングランドにおける死亡率と病院の pay for performance
Mortality and Hospital Pay for Performance in England2008 年,イングランドの一地域の病院に,米国の病院品質インセンティブデモンストレーションに類似した pay-for-performance イニシアチブが導入された.米国のプログラムでは臨床転帰は改善されなかったようであるが,イングランドではプログラム導入後に院内死亡率の低下が認められた.
SOUNDING BOARD
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電子カルテと米国の医療安全目標
EHRs and National Patient-Safety Goals病院や診療所は,新しい技術に適応し,電子カルテ(EHR)を導入し始めているが,このような取組みは,医療安全の目標に明確に向けられたものである必要がある.EHR は,技術的な故障と不適切な使用という 2 つのリスクを伴うが,医療安全のモニタリングと向上に役立てられる.
PERSPECTIVE
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課徴権と米国民の健康
The Taxing Power and the Public's Health医療費負担適正化法に関する判決で,最高裁は議会に,多様な政策目標を達成するために課徴権の道を開いた.いまや連邦政府は,公衆衛生の目標の追及に向けて,ますます建設的に税金を使用することができる.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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巨大脳底動脈瘤
Giant Basilar-Artery Aneurysm46 歳の女性が,頭痛,錯乱,人格変化が 3 ヵ月間続いたため受診した.神経学的検査にて,円滑性追跡眼球運動とつぎ足歩行に軽度の障害が認められた.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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カプノグラフィーによる人工換気のモニタリング
Monitoring Ventilation with Capnographyカプノグラフィーは,呼気と吸気の二酸化炭素濃度を経時的にプロットしたグラフィック表示で,人工換気のモニタリングに用いられる.このビデオでは,カプノグラフィーの原理を概説し,これにより得られる情報を解釈する方法を説明している.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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手湿疹
Hand Eczema手湿疹は皮膚の炎症であり,原因は多くの場合多因子性である.初期治療は,原因となる刺激物またはアレルゲンの回避(不浸透性手袋の着用など),皮膚軟化薬および強力な局所グルココルチコイドの塗布などである.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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終末期の医療
Health Care at the End of LifeDavid Stevenson 教授が,米国におけるホスピスおよび他の終末期医療について論じている.
ANNIVERSARY
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助産学の現場における 200 年の進歩
Two Hundred Years of Progress in the Practice of Midwifery医学において,過去 200 年間で産科学ほど驚異的な進歩を遂げた専門領域はない.この総説では,過去 2 世紀における妊娠の解明,診断,管理の進歩について論じている.