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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 21, 2016
Vol. 374 No. 3
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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結腸癌の予後予測バイオマーカーとしての CDX2
CDX2 as a Prognostic Biomarker in Colon CancerCDX2 はほとんどの結腸癌で発現しているが,約 4%ではこの転写因子が発現しない.CDX2 発現の欠損は,より悪性度の高い自然経過をたどる癌のサブセットを示す.補助化学療法は,主として CDX2 陰性の II 期結腸癌の患者に有効である.
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女性不妊症の遺伝的原因
Genetic Cause of Female Infertility検討した家族の約 1/3 で,チューブリン遺伝子の変異によって卵母細胞が停止し不妊症を引き起こしていた.チューブリン変異体が卵母細胞における微小管形成を壊滅的に阻害することも明らかにされた.
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周産期心筋症における遺伝的素因
Genetic Predisposition in Peripartum Cardiomyopathy周産期心筋症の臨床像の一部は,特発性拡張型心筋症と共通している.特発性拡張型心筋症は 40 を超える遺伝子の変異に関連している.この研究では,これらの遺伝子の一部における変異,とくに TTN の変異が,周産期心筋症に強く関連することが示された.
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過敏性腸症候群に対するエルクサドリン
Eluxadoline for Irritable Bowel Syndrome2 件の無作為化試験でエルクサドリンは,下痢型過敏性腸症候群の患者の腹痛の軽減,便の性状の改善にプラセボよりも有効であった.エルクサドリンを投与した 1,666 例中 5 例(0.3%)が膵炎を発症した.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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胸痛,呼吸困難,皮疹を呈する女性
A Woman with Chest Pain, Dyspnea, and a Rash84 歳の女性が,胸痛,呼吸困難,紫斑性皮疹のため入院した.初回胸部画像検査にて,両肺の斑状,融合性の陰影が認められ,肺水腫に一致する所見であった.診断手技が行われた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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腎臓を創出する
Kindling the Kidney研究者らが,人工多能性幹細胞から,ネフロン,集合管,間質,血管系を備えた腎臓様オルガノイドを作製した.
PERSPECTIVE
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贈り物
Gifts生まれつき結節性硬化症であった Deborah は,生涯言葉を覚えることなく,最後の 25 年間をグループホームで暮らした.Deborah が癌で亡くなった後,医師である姉は,Deborah が生前関わった人々の話から,彼女が「贈り物」と呼ばれた理由を知った.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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特発性咽頭後間隙血腫
Spontaneous Retropharyngeal Hematoma56 歳の男性が,咽頭の腫脹・疼痛,仰臥位で悪化する呼吸困難を訴えて受診した.先行する明らかな外傷はなかった.身体診察で目立ったのは,中咽頭後壁の軽度の腫脹であった.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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閉経後骨粗鬆症
Postmenopausal Osteoporosis閉経後骨粗鬆症の管理には,非薬物治療(荷重運動,転倒防止策など)と薬物治療とがある.ほとんどの女性でビスホスホネート製剤が一次治療と考えられているが,その利益と,まれであるが可能性のあるリスクが論じられている.
NEJM QUICK TAKE
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結腸癌の補助療法で利益を得るのはだれなのか?
Who Benefits from Colon Cancer Adjuvant Therapy?II 期結腸癌手術後の補助化学療法の有用性は明らかにされていないなかで,多くの患者がわずかな利益を得るために補助療法を受けている.再発リスクがもっとも高い患者を示す可能性のあるバイオマーカーはあるのだろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL VIDEO
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経胸壁心エコー
Transthoracic Echocardiogram胸痛,呼吸困難,皮疹で受診した 84 歳の女性の心尖部四腔断面像で,左室径は正常で,左室収縮能の中等度低下が認められた.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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ホメオパシーを看過する
Giving Homeopathy a PassScott Podolsky が,ホメオパシーで用いられるレメディーに対するこれまでの監視が甘かったということと,今後待ち受けているであろうことについて論じている.