- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
June 4, 2020
Vol. 382 No. 23
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
-
アンドロゲン除去療法におけるレルゴリクス
Relugolix for Androgen-Deprivation Therapyアンドロゲン除去療法で用いられる黄体形成ホルモン放出ホルモン作動薬は,テストステロン濃度の抑制開始が遅く,抑制レベルも不十分な場合がある.この無作為化試験で経口ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗薬レルゴリクスを評価した結果,テストステロン濃度は急速かつ完全に抑制され,投与中止後速やかに回復した.
-
前立腺癌に対するエンザルタミド
Enzalutamide in Prostate Cancer高リスクの非転移性去勢抵抗性前立腺癌患者では,エンザルタミドをアンドロゲン除去療法(ADT)に追加することで,ADT 単独と比較して全生存期間が 1 年近く延長した.生存期間の中央値は,エンザルタミド+ ADT 群で 67 ヵ月,ADT 単独群で 56 ヵ月であった.
-
小児高悪性度リンパ腫に対するツキシマブと化学療法
Rituximab and Chemotherapy in Pediatric High-Grade Lymphoma高悪性度(主にバーキット)リンパ腫の小児に対し,標準的な併用化学療法にリツキシマブを追加すると,3 年無イベント生存率が改善した(94% 対 82%).骨髄毒性の発現率がやや高かったが,毒性による死亡の発生率は高くなかった.低ガンマグロブリン血症の発生率はより高かった.
SPECIAL ARTICLE
-
カリフォルニア州における拳銃の所有と自殺
Handgun Ownership and Suicide in Californiaカリフォルニア州における拳銃の取得と死亡に関する解析で,著者らは拳銃の所有と銃器自殺による死亡とのあいだに強い関連を見出した.リスクは拳銃の取得直後が最大であったが,持続した.拳銃所有者の銃器自殺の約半数は取得後 1 年以降に発生した.
REVIEW ARTICLE
-
急性腎障害の心血管系への影響
Cardiovascular Consequences of Acute Kidney Injury急性腎障害では,短期的にも長期的にも多くの有害事象を伴う.この総説では,その後の心血管リスクを低減させることを目的として,急性腎障害の心血管系への影響と,急性期および回復期に用いることのできる戦略について検討している.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
-
候補薬のスクリーニングにおけるダイナミックな進展
Dynamic Developments in Screening Candidate Drugs分子動力学的シミュレーションをバーチャルハイスループットスクリーニングと併用することで,既存薬の抗ウイルス活性を迅速に評価することができる.著者らは,これらの方法が Covid-19 治療薬の探求にどのように役立つかを説明している.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
-
心室細動時の房室解離
Atrioventricular Dissociation during Ventricular Fibrillation心臓移植歴のある 50 歳の女性で,移植した心臓の急性細胞性拒絶反応が出現した.静脈–動脈方式の体外式膜型人工肺(ECMO)を使用しながら経胸壁心エコー検査を行い(動画で示す),心室細動が認められ,心房の収縮性は維持されていた.これらの所見は房室解離に一致する.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
-
トコジラミ
Bedbugsトコジラミの寄生は,患者が皮膚病変を訴えて受診して確認されることが多い.寄生を示唆する病変を認めた場合,トコジラミの有無を調査するよう助言する.殺虫剤は効果が限られており,機械的方法(熱を含むことが多い)が望ましい.
NEJM QUICK TAKE
-
前立腺癌の生存転帰を改善する
Improving Survival Outcomes in Prostate Cancer転移性去勢抵抗性前立腺癌は全生存期間の短縮,QOL の低下,医療関連費用の上昇を伴い,患者の約 1/3 では診断後 2 年以内に骨転移が生じる.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
-
Covid-19 と医療労働力
Covid-19 and the Health Care WorkforceErin Fraher が,Covid-19 パンデミック時の医療労働力人口を拡大する機会について論じている.