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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
July 30, 2020
Vol. 383 No. 5
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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RS ウイルス感染症の予防のためのニルセビマブ
Nirsevimab for Prevention of RSV Diseaseニルセビマブは,半減期延長型モノクローナル抗体であり,単回筋肉内投与により RS ウイルス感染症から乳児を防御するようデザインされている.23 ヵ国の 164 施設において早産児 1,447 例で行われたプラセボ対照試験で,ニルセビマブの投与後 150 日間の有効性を評価した.
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乳児を守るための妊娠中の RS ウイルス予防接種
RSV Vaccination during Pregnancy to Protect Infants妊娠中に RS ウイルス(RSV)F 蛋白ナノ粒子ワクチンを接種する無作為化試験では,医学的に重要な RSV 関連下気道感染症に対し(事前に規定した達成基準による)有効性は示されなかったが,その他の RSV 関連転帰に利益がある可能性が示唆された.
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子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術と子宮筋腫核出術との比較
Uterine-Artery Embolization or Myomectomy for Uterine Fibroids症候性子宮筋腫を有し,子宮全摘術を希望しない女性において子宮筋腫核出術と子宮動脈塞栓術とを比較した多施設共同無作為化非盲検試験で,子宮筋腫核出術は,子宮動脈塞栓術よりも 2 年の時点での筋腫関連 QOL が良好であった.
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治療用抗黄熱ウイルス抗体の試験
Trial of Therapeutic Anti–Yellow Fever Virus AntibodyIgG1 抗黄熱ウイルスモノクローナル抗体 TY014 の第 1a・1b 相試験で,懸念される安全性シグナルは検出されなかった.参加者 10 例が,黄熱生ワクチン(YF17D-204)接種の 24 時間後に,TY014 投与を受ける群とプラセボ投与を受ける群に無作為に割り付けられた.YF17D-204 のウイルス血症は,TY014 群の参加者では検出されなかったが,プラセボ群では 4 例で検出され,TY014 が有効である可能性を示す予備的なエビデンスを提供している.
CASE RECORDS VIDEOS
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Covid-19 における心臓検査
Cardiac Studies in Covid-1944 歳の女性が,Covid-19 パンデミック時に,咳嗽,呼吸困難,胸痛を訴えて受診した.心エコー検査で重度の両心室機能低下が認められた.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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異所性腎
Ectopic Kidney77 歳の男性が,悪心,嘔吐,下痢を訴えて受診した.評価中に,右腎脱出を伴うボホダレック孔(胸腹裂孔)ヘルニアが偶発的に同定された.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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肉腫に対する酸の負の働き
Bad Acid Trip for Sarcomasモデルマウスとヒトの肉腫組織の最近の研究から,肉腫の腫瘍細胞が産生するレチノイン酸が,抗腫瘍免疫機構の鈍化に関与していることが示唆されている.
REVIEW ARTICLE
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慢性リンパ性白血病
Chronic Lymphocytic Leukemia西洋でもっとも頻度の高い白血病である慢性リンパ性白血病の治療は,シグナル伝達キナーゼと細胞生存メディエータを標的とする薬剤の開発によりこの数年間で変革を遂げた.予後不良の患者でさえ,生存期間はいまや 8 年を超える.
NEJM QUICK TAKE
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早産児における RS ウイルス感染を予防する
Preventing RSV in Preterm InfantsRS ウイルスは,乳幼児の呼吸器疾患による入院の原因としてもっとも多く,おおむね予測可能な流行が毎年世界中でみられ,乳児の死亡の主因となっている.早産児はとくにリスクが高い.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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政策がどのように医療を形成するか
How Policy Shapes Health CareEric Schneider が,米国の医療が直面している政策課題と,改革の機会について論じている.