The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 6, 1997 Vol. 336 No. 10

一次性硬化性胆道炎に対するウルソジオール
URSODIOL FOR PRIMARY SCLEROSING CHOLANGITIS

K.D. LINDOR

背景

一次性硬化性胆道炎患者にとって,満足のゆく治療法はない.ウルソジオール (ウルソデオキシコール酸) は,別の胆汁うっ滞性肝疾患である一次性胆汁性肝硬変患者に対しては有効である.

方 法

1989 年 5 月から 1995 年 7 月にかけて,ウルソジオール ( 13 ~ 15mg / kg 体重 / 日,分服) をプラセボと比較する無作為二重盲検試験において,記載のしっかりした一次性硬化性胆道炎患者 105 人を登録した.第一義的転帰は,以下のように定義する治療失敗までの時間とした; 死亡; 肝臓移植; ( 4 期に分類したさいの)二段階の組織学的進行または肝硬変への進行; 静脈瘤,腹水,または脳症の発症; 血清中ビリルビン濃度が持続的に 4 倍以上; 疲労またはそう痒症の顕著な悪化; 薬剤に対する耐容不能; または試験の自発的中止.

結 果

われわれは,少なくとも 3 ヵ月の追跡調査で各群の患者 51 人に関するデータを分析した; 追跡期間の中央値は 2.2 年であった.治療の失敗までの時間に,各群間で有意差はな かった (ウルソジオール群での治療失敗の相対リスク,1.01; 95%信頼区間,0.6 ~ 1.7 ).追跡調査の最初の 2 年間に,治療の失敗は,プラセボ群では患者 32 人中 17 人 ( 53% ),そしてウルソジオール群では 31 人中 16 人 ( 52% ) であった.初期疾患患者での治療失敗までの時間または肝臓移植までの時間についても差を認めなかった.ウルソジオールにより,1 年目および 2 年目では,血清中のアルカリフォスファターゼ,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ,ビリルビン,そしてアルブミン各濃度が改善したが,プラセボでは改善しなかった.

結 論

一次性硬化性胆道炎と確定診断された患者のグループに対して,ウルソジオールは臨床上無効であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 691 - 5. )