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March 13, 1997 Vol. 336 No. 11

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卵管不妊手術後の子宮外妊娠のリスク
THE RISK OF ECTOPIC PREGNANCY AFTER TUBAL STERILIZATION

H.B. PETERSON AND OTHERS

背景

卵管不妊手術は,米国では一般的になりつつある避妊方法である.不妊手術後の妊娠は,まれではあるが起こる可能性があり,子宮外妊娠となるかもしれない.われわれは,不妊手術に関する米国共同調査からのデータを用いて,一般的なタイプの卵管不妊手術を受けた女性における子宮外妊娠のリスクを評価した.

方 法

卵管不妊手術を受けた女性 10,685 人を,共同前向きコホート研究において追跡調査した.電話インタビューを毎年行って女性全員を 5 年間追跡しようと試みた;試験の初期に登録した女性に関しては,卵管不妊手術後さらに 8~14 年の追跡調査電話インタビューを試みた.これらの女性における子宮外妊娠のリスクを評価するため,累積生命表確率と比例障害分析を用いた.

結 果

女性 10,685 人中 47 例に子宮外妊娠を認めた;すべての方法の卵管不妊手術を合わせた場合の子宮外妊娠の 10 年累積確率は,手術 1,000 例中 7.3 例であった.累積確率は不妊手術の方法および不妊手術時の女性の年齢によってかなり変動した.30 歳までに双極性卵管凝固法によって不妊手術を行った女性は,分娩後部分卵管摘出術を受けた同年齢の女性より子宮外妊娠の確率が 27 倍高かった(手術 1,000 例あたり 31.9 例 対 1.2 例の子宮外妊娠).不妊手術後 4~10 年でのすべての方法を合わせた場合の子宮外妊娠の年間発生率は,最初の 3 年よりも低くなかった.

結 論

卵管不妊手術を受けていても,術後何年も経過している場合でも,子宮外妊娠の可能性は排除されない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 762 - 7. )