1990 年の会計年度において，病院運営費は米国の総病院費の 24.8%を占め，これはカナダでの割合のほぼ 2 倍であった．1970 年代および 1980 年初期から比べると，費用が高いこと，特に営利目的病院での運営費が高いことが判明した．

われわれは，病院がメディケアに提出したデータに基づき，1994 年会計年度の米国の非連邦病院 6,227 ヵ所の運営費と救急病院 5,201 ヵ所の入院患者治療の総費用を計算した．1990 年会計年度についても同様のデータを分析した．多変量解析を用いて，病院のタイプ，国勢調査地域，病院の規模，そして外来診療から得られる収入について調整して，運営費に及ぼす病院所有形態 (私立，非営利，営利，および公立) の効果を評価した．地域の賃金レベル，病院の報告期間，および症例類別に関して入院患者費を補正した．

1994 年会計年度では，総病院費の平均で 26.0%を運営費が占め，これは 1990 年度に比べて 1.2 ポイントの増加であった．それらは，営利目的病院では 2.2 ポイント増加して 34.0%であった；私立の非営利目的病院では 1.2 ポイント増加して 24.5%；そして公立病院では 0.6%増加して 22.9%ポイントであった．1994 年では，運営費は，精神病院では総費用の 37.5%（営利目的病院では 44.4%）を占め，リハビリテーション病院では総費用の 33.0%（営利目的病院では 37.7%）を占めた．多変量解析では，病院所有形態が営利目的の場合，公立病院と比べて運営に費やす病院支出の割合が絶対値で 7.9%増加し（34%相対値），私立の非営利病院と比較して絶対値で 57%の増加（23%相対値）であった．救急病院の中では，営利目的病院は，私立の非営利病院（7,490 ドル）または公立病院（6,507 ドル）より 1 退院あたりの補正費用（8,115 ドル）が高かった．この差の多くは高い運営費用によるものであった（それぞれ 1 退院あたり，2,289，1,809，および 1,432 ドル）．

米国では，1990 年から 1994 年のあいだに総病院費用に占める運営費が増加し，これは営利目的病院では特に高かった．総治療費も同様に営利目的病院で高かった．