The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 9, 1997 Vol. 337 No. 15

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

喫煙のヘルスケア費用
THE HEALTH CARE COSTS OF SMOKING

J.J. BARENDREGT, L. BONNEUX, AND P.J. VAN DER MAAS

背景

禁煙は公衆衛生的観点からは望ましいが,ヘルスケア費用に関するその重要性はなお議論がなされている.喫煙者は,非喫煙者より病気にかかることが多いが,非喫煙者はより長生きし,高齢になれば健康費用はより高くなり得る.われわれは,喫煙者と非喫煙者のヘルスケア費用を分析し,禁煙の経済的重要性を推定した.

方 法

三つの生命表を用いてヘルスケア費用に及ぼす喫煙の効果を調べた.一つは喫煙者と非喫煙者の混合集団,一つは喫煙者集団,そしてもう一つは非喫煙者集団の生命表を用いた.また,ダイナミック法を用いて,ヘルスケア費用に及ぼす禁煙の効果を経時的に推定した.

結 果

所定の年齢での喫煙者のヘルスケア費用は,非喫煙者より 40%も高かったが,非喫煙者集団では,喫煙者と非喫煙者の現在の混合集団より,その費用は男性で 7%,そして女性で 4%高かった.喫煙者全員が禁煙すれば,ヘルスケア費用は最初減少するが,15 年後には現在よりも高くなるだろう.長期的にみれば,完全な禁煙は総合的なヘルスケア費用の増加をもたらすが,割引率および評価期間に関する妥当な仮定の下では,経済的になお好ましいとみることができる.

結 論

人々が禁煙すれば,ヘルスケア費用の節約が得られるが,それは短期間にすぎない.最終的に禁煙は,ヘルスケア費用の増加につながるだろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1052 - 7. )