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February 7, 2002 Vol. 346 No. 6

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睡眠時無呼吸症候群における心房ペーシングの利点
Benefit of Atrial Pacing in Sleep Apnea Syndrome

S. GARRIGUE AND OTHERS

背景

睡眠時無呼吸症候群患者の多くは,夜間徐脈,発作性頻拍性不整脈のいずれか,あるいは両方を有するが,いずれも永久心房ペーシングで予防できる.われわれは,睡眠時無呼吸症候群患者における睡眠中の心拍数を増加させるための心臓ペーシング使用の効果を検討した.

方 法

われわれは,症候性洞性徐脈のため永久心房同期型心室ペースメーカーを使用していた中枢性または閉塞性睡眠時無呼吸症の患者 15 例(男性 11 例,女性 4 例,平均[±SD]年齢,69±9 歳)を対象とした.全例に対し,連夜 3 回の睡眠ポリグラフ計による評価を行った.第 1 夜はベースライン評価,その後無作為な順序で,1 夜は自発リズムで,もう 1 夜は心房過剰駆動(基本速度,平均夜間洞速度よりも 15 拍 / 分速い)による心房心室ペーシングモードで行った.中枢性または閉塞性睡眠時無あるいは低呼吸の総持続時間および発生回数を解析し,比較した.

結 果

自発リズム中の平均 24 時間洞速度は,ベースラインでは 57±5 拍 / 分で,心房過剰駆動では 72±3 拍 / 分であった(p<0.001).総睡眠時間は,自発リズムでは 321±49 分,心房過剰駆動では 331±46 分であった(p=0.48).呼吸低下指数(呼吸低下の総発生回数を睡眠時間で除した数字)は,自発リズムの 9±4 から心房過剰駆動での 3±3 に減少した(p<0.001).無呼吸と呼吸低下の両方に関するこの指数値は自発リズムでは 28±22 に対し,心房過剰駆動では 11±14 であった(p<0.001).

結 論

睡眠時無呼吸症候群患者では,心房過剰駆動は,総睡眠時間を減らすことなく,中枢性あるいは閉塞性睡眠時無呼吸の発生回数を有意に減少させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 404 - 12. )