The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 28, 2002 Vol. 346 No. 9

血友病 A 患者における第 VIII 因子に対する蛋白分解性抗体の保有率
The Prevalence of Proteolytic Antibodies against Factor VIII in Hemophilia A

S. LACROIX-DESMAZES AND OTHERS

背景

第 VIII 因子のインヒビターは,補充療法中に重症血友病 A 患者の 25~50%に生じる IgG 同種抗体である.抗第 VIII 因子抗体による第 VIII 因子の加水分解が,第 VIII 因子不活性化の機構として提唱されている.

方 法

重症血友病 A 患者から IgG を精製した.この IgG にビオチン化ヒト第 VIII 因子を混和し,ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)と免疫ブロット法で第 VIII 因子の分解パターンを解析することにより,抗体の蛋白分解活性を評価した.対照は,正常ヒト IgG および阻害抗体をもたない血友病患者の血漿から精製した IgG とした.

結 果

インヒビター陽性の患者 24 例中 13 例の IgG に,有意な蛋白分解活性が検出された.インヒビターをもたない患者から得られた IgG の対照抗体には加水分解活性は検出されなかった.精製した IgG による第 VIII 因子の加水分解速度は,血漿中 IgG の第 VIII 因子中和活性と正の相関関係を示した(r2=0.67,p=0.029).分解断片の泳動プロファイルの主成分分析では,患者間の第 VIII 因子インヒビターの触媒作用の不均一性が示された.

結 論

蛋白分解が,第 VIII 因子に対する IgG 抗体が第 VIII 因子を不活性化する機構である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 662 - 7. )