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June 17, 2004 Vol. 350 No. 25

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男性と女性の再発性静脈血栓塞栓症のリスク
The Risk of Recurrent Venous Thromboembolism in Men and Women

P.A. Kyrle and Others

背景

患者の性別が,再発性静脈血栓塞栓症のリスクに関連するかどうかは明らかにされていない.

方 法

特発性静脈血栓塞栓症の初回エピソードがあった患者 826 例を対象に,経口抗凝固薬の休薬後,平均 36 ヵ月間調査を行った.妊娠中の患者,アンチトロンビン,プロテイン C,プロテイン S のいずれかを欠損している患者,ループスアンチコアグラントが検出された患者,癌患者,抗血栓療法を必要とし,それが長期にわたる可能性のある患者は除外した.エンドポイントは,症候性の静脈血栓塞栓症の再発を示す客観的所見とした.

結 果

静脈血栓塞栓症を再発したのは,男性患者で 373 例中 74 例,女性患者で 453 例中 28 例であった(20% 対 6%;再発の相対リスク 3.6;95%信頼区間 2.3~5.5;P<0.001).年齢,抗凝固薬の投与期間,初回の症候性肺塞栓症の有無,第 V 因子 Leiden や第 II 因子 G20210A の変異の有無,第 VIII 因子または第 IX 因子濃度の上昇の有無で補正後も,リスクは変化しなかった.5 年後,再発率は男性で 30.7%,女性で 8.5%であった(P<0.001).再発の相対リスクは,経口避妊薬服用中あるいはホルモン補充療法中に初回の血栓症をきたした女性と,初回イベントが特発性であった同年代の女性で同程度であった.

結 論

再発性静脈血栓塞栓症のリスクは,女性よりも男性で高い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 2558 - 63. )