October 7, 2004 Vol. 351 No. 15
進行前立腺癌に対するドセタキセル+プレドニゾンまたはミトキサントロン+プレドニゾン
Docetaxel plus Prednisone or Mitoxantrone plus Prednisone for Advanced Prostate Cancer
I.F. Tannock and Others
進行ホルモン抵抗性前立腺癌患者では,ミトキサントロン+プレドニゾンの投与により疼痛が軽減し,QOL が改善するが,生存期間は改善されない.進行ホルモン抵抗性前立腺癌患者において,ミトキサントロン+プレドニゾン治療とドセタキセル+プレドニゾン治療を比較した.
2000 年 3 月~2002 年 6 月のあいだに,転移性ホルモン抵抗性前立腺癌患者 1,006 例にプレドニゾン 5 mg を 1 日 2 回投与し,ミトキサントロン 12 mg/m2 体表面積を 3 週に 1 回投与する群,ドセタキセル 75 mg/m2 体表面積を 3 週に 1 回投与する群,ドセタキセル 30 mg/m2 体表面積を週 1 回,6 週を 1 クールとして 5 回投与(最終週は休薬)する群のいずれかに無作為に割付けた.主要エンドポイントは全生存期間とした.副次的エンドポイントは,疼痛,前立腺特異抗原(PSA)値,QOL とした.統計学的比較はすべてミトキサントロンに対して行った.
ミトキサントロン群の患者と比較し,死亡のハザード比は,ドセタキセルを 3 週に 1 回投与した群で 0.76(95%信頼区間 0.62~0.94;層別 log rank 検定による P=0.009),ドセタキセルを週 1 回投与した群で 0.91(95%信頼区間 0.75~1.11;P=0.36)であった.生存期間の中央値は,ミトキサントロン群で 16.5 ヵ月,ドセタキセル 3 週 1 回投与群で 18.9 ヵ月,ドセタキセル週 1 回投与群で 17.4 ヵ月であった.これら 3 群のうち,それぞれ 32%,45%,48%の患者で血清 PSA 値が 50%以上低下し(ミトキサントロンとの比較で共に P<0.001),22%,35%(P=0.01),31%(P=0.08)であらかじめ定義した疼痛の軽減がみられた.また,それぞれ 13%,22%(P=0.009),23%(P=0.005)で QOL が改善した.有害事象の発生率についてもドセタキセル群のほうが高かった.
ドセタキセルを 3 週に 1 回投与する治療法は,プレドニゾンと併用した場合,ミトキサントロン+プレドニゾンよりも生存期間を延長させ,疼痛,血清 PSA 値,QOL に関して反応率を改善させた.