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June 1, 2006 Vol. 354 No. 22

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女性における BMI と胃食道逆流症の症状
Body-Mass Index and Symptoms of Gastroesophageal Reflux in Women

B.C. Jacobson and Others

背景

過体重者や肥満者では,胃食道逆流症のリスクが高い.正常体重者の BMI(体重 [kg] を身長 [m] の二乗で除した値)と胃食道逆流症の症状の関連は,まだ明らかにされていない.

方 法

2000 年に,看護師健康調査(Nurses' Health Study)の中から無作為に抽出した参加者を対象に,補足質問票を用いて,胃食道逆流症の症状の頻度,重症度,持続期間を決定した.1998 年に測定された BMI に基づいて女性を分類後,ロジスティック回帰モデルを用いて,BMI と胃食道逆流症の症状の関連を検討した.

結 果

質問票に回答した女性 10,545 例(回答率 86%)のうち,2,310 例(22%)が少なくとも週 1 回,胃食道逆流症の症状があると報告し,3,419 例(なんらかの症状がある女性の 55%)が症状の重症度は中等度であると回答した.BMI の増加と逆流症状の頻度に,用量依存的な関係が認められた(傾向の多変量 P 値<0.001).症状の頻度が高いことの多変量オッズ比は,BMI が 20.0~22.4 の女性と比較して,BMI が 20.0 未満の女性では 0.67(95%信頼区間 0.48~0.93),BMI が 22.5~24.9 の女性では 1.38(95%信頼区間 1.13~1.67),BMI が 25.0~27.4 の女性では 2.20(95%信頼区間 1.81~2.66),BMI が 27.5~29.9 の女性では 2.43(95%信頼区間 1.96~3.01),BMI が 30.0~34.9 の女性では 2.92(95%信頼区間 2.35~3.62),BMI が 35.0 以上の女性では 2.93(95%信頼区間 2.24~3.85)であった.ベースラインの BMI が正常範囲の女性でも,BMI の増加が 3.5 を超えることは,体重変化のない場合と比較して,逆流症状が高頻度に発現するリスクの増加と関連していた(オッズ比 2.80,95%信頼区間 1.63~4.82).

結 論

BMI は,正常体重と過体重の女性いずれにおいても,胃食道逆流症の症状と関連している.正常体重者における中等度の体重増加でさえ,逆流症状を引き起したり症状を悪化させたりする可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 2340 - 8. )