The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

July 5, 2007 Vol. 357 No. 1

航空機客室の高度が乗客の不快感に及ぼす影響
Effect of Aircraft-Cabin Altitude on Passenger Discomfort

J.M. Muhm and Others

背景

急性高山病(acute mountain sickness)は,高度に順化できない人が,飛行中の旅客機と同じ気圧の高地へ旅行した際に生じる.飛行機の乗客でも同じような影響がみられるのかどうかはわかっていない.

方 法

成人ボランティアを対象とした前向き単盲検比較低圧室研究を行い,海抜 650 フィート(ft),4,000 ft,6,000 ft,7,000 ft,8,000 ft(それぞれ 198 m,1,219 m,1,829 m,2,134 m,2,438 m)の陸上高度と等しい気圧が,動脈血酸素飽和度および急性高山病・不快感の発生に及ぼす影響を検討した.急性高山病と不快感は,20 時間の飛行シミュレーション中の環境症状質問票 IV(Environmental Symptoms Questionnaire IV;ESQ-IV)によって評価した.

結 果

参加者 502 人において,平均酸素飽和度は高度の上昇に伴って低下し,8,000 ft で最大 4.4 パーセントポイント(95%信頼区間 3.9~4.9)低下した.全体で急性高山病は参加者の 7.4%で生じたが,この研究で検討した高度では,その頻度に有意な差は認められなかった.不快感が報告される頻度は,高度の上昇と酸素飽和度の低下に伴って増加し,7,000~8,000 ft では,それよりも低い高度での総数よりも多かった.曝露 3~9 時間後に差は明らかになった.不快感の報告は,60 歳を超える参加者ではそれよりも年齢の低い参加者と比べて少なく,また男性のほうが女性よりも少なかった.重篤な有害事象が 4 件報告され,うち 1 件はこの研究での曝露と関連する可能性があり,有害事象 15 件のうち 9 件はこの研究での曝露と関連していた.

結 論

地表から 7,000~8,000 ft の環境に移動すると,酸素飽和度が約 4 パーセントポイント低下した.この程度の低酸素血症は,急性高山病の発生に影響を及ぼすには不十分であったが,高度に順化できない参加者において,3~9 時間後に不快感が報告される頻度の増加に寄与した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00326703)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 18 - 27. )