The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 17, 2008 Vol. 358 No. 3

ST 上昇型心筋梗塞に対する初回 PCI のための全市的プロトコール
A Citywide Protocol for Primary PCI in ST-Segment Elevation Myocardial Infarction

M.R. Le May and Others

背景

初回経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は,速やかに施行した場合,ST 上昇型心筋梗塞患者の梗塞関連動脈の血流を回復させるうえで血栓溶解療法よりも優れている.PCI 施行の至適時期の基準は,door-to-balloon time(来院からバルーン処置までの時間)が 90 分未満とされている.この目標を達成するための地域戦略を開発できるかどうかは不明である.

方 法

オタワ市で,すべての ST 上昇型心筋梗塞患者が初回 PCI のため専門施設に紹介される統合的大都市圏アプローチを開発した.心電図の解釈について訓練を受けた救急救命士により現場から直接紹介された患者と,救急部の医師により紹介された患者とのあいだで,door-to-balloon time に差が認められるかどうかを検討した.

結 果

2005 年 5 月 1 日~2006 年 4 月 30 日のあいだに,計 344 例の連続した ST 上昇型心筋梗塞患者が初回 PCI を受けるために紹介された.そのうち 135 例は現場から直接紹介され,209 例は救急部から紹介された.初回 PCI は患者の 93.6%に施行された.door-to-balloon time の中央値は,現場から紹介された患者(69 分,四分位範囲 43~87)のほうが,病院間搬送を要した患者(123 分,四分位範囲 101~153)よりも短かった(P<0.001).door-to-balloon time が 90 分未満であったのは,現場からの搬送患者では 79.7%,救急部からの搬送患者では 11.9%であった(P<0.001).

結 論

door-to-balloon time のガイドラインの達成頻度は,訓練を受けた救急救命士が独立して患者をトリアージし,指定の初回 PCI 施設へ直接搬送した場合のほうが,救急部から紹介された場合よりも高かった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 231 - 40. )