August 21, 2008 Vol. 359 No. 8
若年性関節リウマチに対するメトトレキサート併用・非併用下でのアダリムマブ投与
Adalimumab with or without Methotrexate in Juvenile Rheumatoid Arthritis
D.J. Lovell and Others
腫瘍壊死因子(TNF)は,若年性関節リウマチにおいて病原として作用する.多関節型若年性関節リウマチを有する小児を対象とし,完全ヒト型抗 TNF モノクローナル抗体であるアダリムマブ(adalimumab)の有効性と安全性を評価した.
活動性の若年性関節リウマチを有し,非ステロイド性抗炎症薬による治療を受けたことのある 4~17 歳の患児を,メトトレキサート併用の有無で層別化し,アダリムマブ 24 mg/m2 体表面積(最大 40 mg)を 16 週にわたり隔週皮下投与した.16 週目に米国リウマチ学会の小児基準 30%(American College of Rheumatology Pediatric 30:ACR Pedi 30)の反応のみられた患児を,二重盲検下でアダリムマブ群とプラセボ群に無作為に割り付け,隔週投与を最長 32 週間行った.
16 週目の時点で,ACR Pedi 30 反応はメトトレキサートを併用していない患児の 74%(86 例中 64 例)と,メトトレキサートを併用していた患児の 94%(85 例中 80 例)で認められ,二重盲検試験の対象となった.疾患の再燃(主要転帰)は,メトトレキサートを併用していない患児では,アダリムマブ群の 43%,プラセボ群の 71%に認められた(P=0.03).メトトレキサート併用患児では,アダリムマブ群の 37%,プラセボ群の 65%にみられた(P=0.02).48 週目の時点で,メトトレキサートを併用し,ACR Pedi 30,50,70,90 のいずれかの反応が認められた患児の割合は,アダリムマブ群のほうがプラセボ群よりも有意に高かったが,メトトレキサートを併用していない患児では,アダリムマブ群とプラセボ群とで有意差はみられなかった.有効率は,治療の 104 週間後も維持されていた.アダリムマブ投与に関連すると考えられる重篤な有害事象は,14 例に発現した.
アダリムマブ療法は,若年性関節リウマチを有する小児患者に対する有効な治療選択肢であると考えられる.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00048542)