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December 23, 2010 Vol. 363 No. 26

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慢性骨髄性白血病に対するイマチニブとペグインターフェロンα-2a の併用療法
Imatinib plus Peginterferon Alfa-2a in Chronic Myeloid Leukemia

C. Preudhomme and Others

背景

イマチニブ(400 mg/日)は,慢性期慢性骨髄性白血病(CML)と新たに診断された患者において,最適な初期治療法と考えられている.しかし,イマチニブ投与により,分子遺伝学的完全寛解が得られる患者はごく少数である.

方 法

未治療の慢性期 CML 患者 636 例を,イマチニブ 400 mg/日単独投与群,イマチニブ(400 mg/日)+シタラビン(28 日サイクルの第 15~28 日目に 20 mg/m2 体表面積/日)併用投与群,イマチニブ(400 mg/日)+ペグインターフェロンα-2a(90 μg/週)併用投与群,イマチニブ 600 mg/日単独投与群のいずれかに無作為に割り付けた.分子遺伝学的寛解・細胞遺伝学的寛解,無増悪期間,全生存・無イベント生存,有害事象を評価した.分子遺伝学的寛解の解析は 12 ヵ月後に予定した.分子遺伝学的寛解(superior molecular response)の定義は,リアルタイム定量 PCR 法により,チロシンキナーゼ遺伝子 BCR-ABL 転写物の ABL 転写物に対する比がベースラインから 0.01%以上の低下(4 log10 単位以上の低下に相当)を認めることとした.

結 果

12 ヵ月の時点で,細胞遺伝学的寛解の達成率は 4 群で同程度であった.分子遺伝学的寛解の達成率は,イマチニブ+ペグインターフェロンα-2a 群(30%)のほうが,イマチニブ 400 mg 単独群(14%)より有意に高く(P=0.001),また,治療期間が 12 ヵ月を超えた患者のほうが,12 ヵ月以下の患者より有意に高かった.シタラビン併用群では消化管イベントがより高頻度に認められたのに対し,ペグインターフェロンα-2a 併用群では発疹と抑うつがより高頻度に認められた.

結 論

イマチニブ療法にペグインターフェロンα-2a を追加することによって,ほかの治療法に比べ,慢性期 CML 患者の分子遺伝学的寛解達成率が有意に上昇した.(フランス保健省ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00219739)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 2511 - 21. )