The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 10, 2011 Vol. 365 No. 19

重症型アルコール性肝炎に対するグルココルチコイドと N-アセチルシステインの併用
Glucocorticoids plus N-Acetylcysteine in Severe Alcoholic Hepatitis

E. Nguyen-Khac and Others

背景

重症型急性アルコール性肝炎患者の死亡率は高く,グルココルチコイド治療を行った例においてさえ高い.グルココルチコイドと N-アセチルシステインの併用療法によって生存率が改善されるかどうかを検討した.

方 法

患者 174 例を,プレドニゾロン+N-アセチルシステイン投与群(85 例)とプレドニゾロン単独投与群(89 例)に無作為に割り付けた.全例にプレドニゾロンを 4 週間投与した.プレドニゾロン+N-アセチルシステイン群では,N-アセチルシステインを 1 日目(150 mg/kg 体重を 5%ブドウ糖液 250 mL に溶解し 30 分,50 mg/kg を同 500 mL に溶解し 4 時間,100 mg/kg を同 1,000 mL に溶解し 16 時間かけて投与)と 2~5 日目(1 日あたり 100 mg/kg を 5%ブドウ糖液 1,000 mL に溶解)に点滴静注した.プレドニゾロン単独群には,1~5 日目に1 日あたり 5%ブドウ糖液 1,000 mL を注入した.主要転帰は 6 ヵ月での生存とした.副次的転帰は,1 ヵ月,3 ヵ月での生存,肝炎の合併症,N-アセチルシステインの使用に関連した有害事象,7 日目,14 日目のビリルビン値の変化などとした.

結 果

6 ヵ月死亡率は,プレドニゾロン+N-アセチルシステイン群のほうがプレドニゾロン単独群よりも低かったが,有意ではなかった(27% 対 38%,P=0.07).1 ヵ月死亡率はプレドニゾロン+N-アセチルシステイン群のほうが有意に低かったが(8% 対 24%,P=0.006),3 ヵ月死亡率に有意差は認められなかった(22% 対 34%,P=0.06).6 ヵ月の時点での肝腎症候群による死亡率は,プレドニゾロン+N-アセチルシステイン群のほうがプレドニゾロン単独群よりも低かった(9% 対 22%,P=0.02).多変量解析において,6 ヵ月生存に関連する因子は,年齢がより低いこと(P<0.001),プロトロンビン時間がより短いこと(P<0.001),ベースラインのビリルビン値がより低いこと(P<0.001),14 日目のビリルビン低下(P<0.001)であった.感染症の頻度は,プレドニゾロン+N-アセチルシステイン群のほうがプレドニゾロン単独群よりも低かった(P=0.001).その他の副作用は 2 群で同程度であった.

結 論

重症型急性アルコール性肝炎患者において,プレドニゾロンと N-アセチルシステインの併用療法により 1 ヵ月生存率は上昇したが,主要転帰である 6 ヵ月生存率は改善されなかった.(臨床研究病院プログラムから研究助成を受けた.AAH-NAC ClinicalTrials.gov 番号:NCT00863785)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1781 - 9. )