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November 15, 2012 Vol. 367 No. 20

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院内心停止後の生存の動向
Trends in Survival after In-Hospital Cardiac Arrest

S. Girotra and Others

背景

近年,蘇生治療は進歩しているにもかかわらず,院内心停止後の生存と神経機能が経時的に改善しているのかどうかは明らかにされていない.

方 法

Get with the Guidelines-Resuscitation 登録に参加している病院 374 ヵ所において,2000~09 年に院内心停止を起こした成人全員を同定した.多変量回帰を用いて,リスク補正生存退院率の経時的動向を調査した.さらに解析を行い,それらの動向が,緊急蘇生時または蘇生後治療中のどちらの生存の改善によって生じたのか,また,生存例における神経障害の増加を伴うものであったかどうかを検討した.

結 果

心停止を起こした入院患者 84,625 例のうち,79.3%は初期調律が心静止または無脈性電気活動,20.7%は心室細動または無脈性心室頻拍であった.心静止または無脈性電気活動による心停止の割合は経時的に増加した(傾向性の P<0.001).リスク補正生存退院率は,2000 年には 13.7%であったのが,2009 年には 22.3%に上昇した(1 年あたりの補正率比 1.04,95%信頼区間 [CI] 1.03~1.06,傾向性の P<0.001).生存率の改善は,2 つの調律群で同程度であり,緊急蘇生成功率と蘇生後生存率の両方の改善によるものであった.生存例における臨床的に重大な神経障害の発生率は経時的に低下し,リスク補正発生率は 2000 年に 32.9%,2009 年に 28.1%であった(1 年あたりの補正率比 0.98,95% CI 0.97~1.00,傾向性の P=0.02).

結 論

米国における大規模な国家質改善登録に参加している病院において,院内心停止後の生存と神経学的転帰の両方が過去 10 年間で改善した.(米国心臓協会から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1912 - 20. )