The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

February 21, 2013 Vol. 368 No. 8

静脈血栓塞栓症の治療延長におけるダビガトラン,ワルファリン,プラセボの比較
Extended Use of Dabigatran, Warfarin, or Placebo in Venous Thromboembolism

S. Schulman and Others

背景

ダビガトランは,固定用量で投与することができ,検査によるモニタリングが不要であるため,静脈血栓塞栓症の治療延長に適している可能性がある.

方 法

2 つの無作為化二重盲検試験において,3 ヵ月以上の初期治療を終了した静脈血栓塞栓症患者を対象に,ダビガトラン 150 mg 1 日 2 回とワルファリンの比較(実薬対照試験)と,ダビガトラン 150 mg 1 日 2 回とプラセボの比較(プラセボ対照試験)を行った.

結 果

実薬対照試験では,静脈血栓塞栓症の再発は,ダビガトラン群 1,430 例中 26 例(1.8%),ワルファリン群 1,426 例中 18 例(1.3%)に認められた(ダビガトランのハザード比 1.44,95%信頼区間 [CI] 0.78~2.64,非劣性について P=0.01).重大な出血は,ダビガトラン群 13 例(0.9%),ワルファリン群 25 例(1.8%)に発生した(ハザード比 0.52,95% CI 0.27~1.02).重大な出血・臨床的に重要な出血は,ダビガトラン群のほうが頻度が低かった(ハザード比 0.54,95% CI 0.41~0.71).急性冠症候群は,ダビガトラン群 13 例(0.9%),ワルファリン群 3 例(0.2%)に発生した(P=0.02).プラセボ対照試験では,静脈血栓塞栓症の再発は,ダビガトラン群 681 例中 3 例(0.4%),プラセボ群 662 例中 37 例(5.6%)に認められた(ハザード比 0.08,95% CI 0.02~0.25,P<0.001).重大な出血は,ダビガトラン群では 2 例(0.3%)に発生し,プラセボ群では発生しなかった.重大な出血・臨床的に重要な出血は,ダビガトラン群 36 例(5.3%),プラセボ群 12 例(1.8%)に発生した(ハザード比 2.92,95% CI 1.52~5.60).急性冠症候群は,ダビガトラン群とプラセボ群で各 1 例発生した.

結 論

ダビガトランは,静脈血栓塞栓症の治療延長において有効であり,重大な出血・臨床的に重要な出血のリスクは,ワルファリンより低かったがプラセボよりは高かった.(Boehringer Ingelheim 社から研究助成を受けた.RE-MEDY ClinicalTrials.gov 番号:NCT00329238,RE-SONATE ClinicalTrials.gov 番号:NCT00558259)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 709 - 18. )