The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 3, 2013 Vol. 369 No. 14

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

2 型糖尿病患者におけるサキサグリプチンと心血管転帰
Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus

B.M. Scirica and Others

背景

ジペプチジルペプチダーゼ 4(DPP-4)阻害薬サキサグリプチンなどの現在の血糖降下薬の多くは,心血管系に対する安全性と有効性が明らかにされていない.

方 法

心血管イベントの既往またはリスクを有する 2 型糖尿病患者 16,492 例を,サキサグリプチン群とプラセボ群に無作為に割り付け,中央値 2.1 年間追跡した.医師は,血糖降下薬を含むその他の治療薬を調節することが認められた.主要エンドポイントは,心血管系死亡,心筋梗塞,脳梗塞の複合とした.

結 果

主要エンドポイントイベントは,サキサグリプチン群 613 例と,プラセボ群 609 例に発生した(Kaplan-Meier 推定量による 2 年発生率はそれぞれ 7.3%と 7.2%,サキサグリプチン群のハザード比 1.00,95%信頼区間 [CI] 0.89~1.12,優越性について P=0.99,非劣性について P<0.001).on-treatment 解析においても結果は同様であった(ハザード比 1.03,95% CI 0.91~1.17).主要な副次的エンドポイントである心血管系死亡,心筋梗塞,脳梗塞,不安定狭心症による入院,冠血行再建,心不全の複合は,サキサグリプチン群 1,059 例と,プラセボ群 1,034 例に発生した(Kaplan-Meier 推定量による 2 年発生率はそれぞれ 12.8%と 12.4%,ハザード比 1.02,95% CI 0.94~1.11,P=0.66).サキサグリプチン群では心不全により入院した患者がプラセボ群よりも多かった(3.5% 対 2.8%,ハザード比 1.27,95% CI 1.07~1.51,P=0.007).臨床イベント判定委員会に判定された急性および慢性膵炎の発生率は,2 群で同程度であった(急性膵炎はサキサグリプチン群 0.3%,プラセボ群 0.2%;慢性膵炎はそれぞれ<0.1%,0.1%).

結 論

サキサグリプチンを用いた DPP-4 阻害によって,虚血性イベントの発生率は上昇することも低下することもなかったが,心不全による入院率が上昇した.サキサグリプチンによって血糖コントロールは改善するが,糖尿病患者の心血管リスクを低下させるためには,他の方法が必要である.(AstraZeneca 社,Bristol-Myers Squibb 社から研究助成を受けた.SAVOR-TIMI 53 ClinicalTrials.gov 番号:NCT01107886)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 1317 - 26. )