The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 5, 2013 Vol. 369 No. 23

初回経皮的冠動脈インターベンション目的での救急搬送中に開始するビバリルジン投与
Bivalirudin Started during Emergency Transport for Primary PCI

P.G. Steg and Others

背景

ビバリルジン(bivalirudin)は,ヘパリンや糖蛋白 IIb/IIIa 阻害薬と比較して,初回経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける患者の出血率と死亡率を低下させることが示されている.病院到着前に治療が開始され,糖蛋白 IIb/IIIa 阻害薬や新規 P2Y12 阻害薬が任意で用いられ,PCI が経橈骨動脈アプローチで行われるようになった現代においても,その利益が引き続き認められるかどうかは明らかにされていない.

方 法

ST 上昇型心筋梗塞(STEMI)を起こし,初回 PCI 目的で搬送されていた患者 2,218 例を,ビバリルジンを投与する群と,未分画ヘパリンまたは低分子ヘパリンとともに任意で糖蛋白 IIb/IIIa 阻害薬を投与する群(対照群)に無作為に割り付けた.30 日の時点での主要転帰は死亡または冠動脈バイパス術(CABG)に関連しない重大な出血の複合とし,主な副次的転帰は,死亡,再梗塞,CABG に関連しない重大な出血の複合とした.

結 果

ビバリルジンにより,対照介入と比較して,主要転帰のリスクが低下し(5.1% 対 8.5%,相対リスク 0.60,95%信頼区間 [CI] 0.43~0.82,P=0.001),主な副次的転帰のリスクも低下した(6.6%対 9.2%,相対リスク 0.72,95% CI 0.54~0.96,P=0.02).ビバリルジンによって重大な出血のリスクも低下した(2.6% 対 6.0%,相対リスク 0.43,95% CI 0.28~0.66,P<0.001).急性ステント血栓症のリスクは,ビバリルジン群のほうが高かった(1.1% 対 0.2%,相対リスク 6.11,95% CI 1.37~27.24,P=0.007).死亡率(2.9% 対 3.1%)と再梗塞率(1.7% 対 0.9%)に有意差は認められなかった.すべての患者サブグループにおいて結果は一貫していた.

結 論

ビバリルジン投与を初回 PCI 目的での搬送中に開始することによって,重大な出血が減少し,30 日後の臨床転帰が改善したが,急性ステント血栓症は増加した.(Medicines Company 社から研究助成を受けた.EUROMAX ClinicalTrials.gov 番号:NCT01087723)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 2207 - 17. )