November 6, 2014 Vol. 371 No. 19
早期関節リウマチにおけるエタネルセプト漸減による寛解維持
Sustained Remission with Etanercept Tapering in Early Rheumatoid Arthritis
P. Emery and Others
エタネルセプト+メトトレキサート療法中に寛解が得られた関節リウマチ患者において,投与量の減量および投与中止の影響を評価した.
早期の活動性関節リウマチを有し,メトトレキサートまたは生物学的製剤の投与歴がない患者に,エタネルセプト 50 mg+メトトレキサートを週 1 回,52 週間投与した(非盲検期).続いて,39 週目と 52 週目に条件を満たす反応が認められた患者を,エタネルセプト 25 mg+メトトレキサートを投与する群(併用療法群),メトトレキサートを単独投与する群,プラセボを投与する群のいずれかに無作為に割り付け,39 週間治療を行った(二重盲検期).二重盲検期の 39 週目に条件を満たす反応が認められた患者は,その時点ですべての投与を中止し,65 週目まで追跡した(投与中止期).主要評価項目は,二重盲検期に寛解が維持されていた患者の割合とした.
登録された 306 例中,193 例が二重盲検期に無作為化された.131 例が投与中止期への移行に適格であった.主要評価項目の基準を満たした患者は,併用療法群のほうが,メトトレキサート単独群およびプラセボ群よりも多かった(63 例中 40 例 [63%] 対 それぞれ 65 例中 26 例 [40%],65 例中 15 例 [23%];併用療法群とメトトレキサート単独群の比較について P=0.009,併用療法群とプラセボ群の比較について P<0.001).65 週の時点で,併用療法群の 28 例(44%),メトトレキサート単独群の 19 例(29%),プラセボ群の 15 例(23%)が寛解を維持していた(併用療法群とメトトレキサート単独群の比較について P=0.10,併用療法群とプラセボ群の比較について P=0.02,メトトレキサート単独群とプラセボ群の比較について P=0.55).X 線像上の疾患進行には,群間で有意差は認められなかった.重篤な有害事象は併用療法群の 3 例(5%),メトトレキサート単独群の 2 例(3%),プラセボ群の 2 例(3%)で報告された.
最大投与量のエタネルセプト+メトトレキサート療法中に寛解が得られた早期関節リウマチ患者において,投与量を減量して併用療法を継続した場合,メトトレキサート単独またはプラセボに切り替えた場合と比較して,疾患は良好にコントロールされたが,X 線像上の疾患進行には有意差は認められなかった.(Pfizer 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00913458)