The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 17, 2015 Vol. 373 No. 25

慢性リンパ性白血病患者に対する初期治療としてのイブルチニブ
Ibrutinib as Initial Therapy for Patients with Chronic Lymphocytic Leukemia

J.A. Burger and Others

背景

慢性リンパ性白血病(CLL)は主に高齢者に認められるが,このような患者には CLL に関連する免疫抑制,骨髄抑制がみられるほか,併存疾患があることが多い.われわれは,未治療の CLL または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の高齢患者において,2 つの経口薬,イブルチニブ(ibrutinib)とクロラムブシル(chlorambucil)を比較する国際共同無作為化非盲検第 3 相試験を行った.

方 法

65 歳以上の未治療 CLL/SLL 患者 269 例を,イブルチニブ群とクロラムブシル群に無作為に割り付けた.主要評価項目は独立審査委員会の評価による無増悪生存期間とした.

結 果

患者の年齢中央値は 73 歳であった.追跡期間中央値18.4 ヵ月での無増悪生存期間は,イブルチニブ群のほうがクロラムブシル群よりも有意に長く(中央値,未到達 対 18.9 ヵ月),増悪または死亡のリスクは,イブルチニブ群がクロラムブシル群よりも 84%低かった(ハザード比 0.16,P<0.001).イブルチニブ群では全生存期間の有意な延長が認められ,24 ヵ月時点の推定生存率は,イブルチニブ群 98%に対しクロラムブシル群 85%であり,死亡の相対リスクは,イブルチニブ群がクロラムブシル群よりも 84%低かった(ハザード比 0.16,P=0.001).全奏効率は,イブルチニブ群のほうがクロラムブシル群よりも高かった(86% 対 35%,P<0.001).ヘモグロビン値,血小板濃度におけるベースライン値からの持続的な上昇率は,イブルチニブ群のほうが高かった.グレードを問わず,イブルチニブ投与例の 20%以上に発生した有害事象は下痢,疲労,咳嗽,悪心であった.クロラムブシル投与例の 20%以上に発生した有害事象は悪心,疲労,好中球減少,貧血,嘔吐であった.イブルチニブ群ではグレード 3 の出血が 4 例,グレード 4 の出血が 1 例にみられた.イブルチニブ群の 87%は,イブルチニブ投与を継続している.

結 論

未治療 CLL/SLL 患者において,イブルチニブとクロラムブシルとで無増悪生存期間,全生存期間,奏効率,血液学的項目の改善について比較した結果,イブルチニブのほうが優れていた.(Pharmacyclics 社ほかから研究助成を受けた.RESONATE-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01722487)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 2425 - 37. )