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March 22, 2018 Vol. 378 No. 12

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細気管支炎の乳児における高流量酸素療法の無作為化試験
A Randomized Trial of High-Flow Oxygen Therapy in Infants with Bronchiolitis

D. Franklin and Others

背景

細気管支炎乳児に対する鼻カニューレ高流量酸素療法は,その有効性を示す質の高いエビデンスが限られているにもかかわらず,施行件数が増加している.集中治療室(ICU)以外の場所における鼻カニューレ高流量酸素療法の有効性は明らかにされていない.

方 法

多施設共同無作為化比較試験で,細気管支炎を有し,酸素補給療法を必要とする 12 ヵ月未満の乳児を,高流量酸素療法(高流量群)と標準酸素療法(標準療法群)に割り付けた.標準療法群の児は,状態が治療失敗の基準を満たす場合は,高流量酸素による救済治療を受けられることとした.主要評価項目は,治療失敗(持続性頻拍,頻呼吸,低酸素血症,病院の早期警告ツールにより行う医学的評価の 4 つの臨床基準のうち 3 つ以上を満たすことと定義)による治療増強とした.副次的評価項目は入院期間,酸素療法期間,三次救急医療機関への転院率,ICU への入室率,挿管の実施率,有害事象の発現率などとした.

結 果

1,472 例を解析対象とした.治療を増強した児の割合は,高流量群では 12%(739 例中 87 例)であったのに対し,標準療法群では 23%(733 例中 167 例)であった(リスク差 -11 パーセントポイント,95%信頼区間 -15~-7,P<0.001).入院期間や酸素療法期間に有意差は認められなかった.気胸が各群 1 件(1%未満)発生した.標準療法群で治療が失敗した 167 例のうち,102 例(61%)が高流量酸素による救済治療に反応した.

結 論

ICU 以外で治療を受けた細気管支炎乳児のうち,高流量酸素療法を受けた児は,標準酸素療法を受けた児と比較して治療失敗による治療増強率が有意に低かった.(オーストラリア国立保健医療研究審議会ほかから研究助成を受けた.Australian and New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12613000388718)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1121 - 31. )