The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 10, 2018 Vol. 378 No. 19

前立腺癌の診断における MRI 標的生検と標準生検との比較
MRI-Targeted or Standard Biopsy for Prostate-Cancer Diagnosis

V. Kasivisvanathan and Others

背景

生検を受けたことのない前立腺特異抗原(PSA)高値の男性において,マルチパラメトリック MRI は,生検施行の有無を問わず,標準的な経直腸的超音波ガイド下生検に代わる前立腺癌の検出方法である.しかし,これらの比較に関するエビデンスは限られている.

方 法

多施設共同無作為化非劣性試験で,臨床的に前立腺癌が疑われる生検を受けたことのない男性を,標的生検を施行するか否かにかかわらず MRI を行う群と,標準的な経直腸的超音波ガイド下生検を行う群に割り付けた.MRI 標的生検群は,MRI で前立腺癌が示唆された場合に標的生検を行い(標準的なコア生検は行わない),MRI で前立腺癌が示唆されなかった例には生検を行わなかった.標準生検は,コア数 10~12 の経直腸的超音波ガイド下生検とした.主要評価項目は臨床的に意義のある癌と診断された例の割合とした.副次的評価項目は臨床的に意義のない癌と診断された例の割合などとした.

結 果

500 例が無作為化された.MRI 標的生検群 252 例のうち,71 例(28%)は MRI で前立腺癌が示唆されなかったため,生検を受けなかった.臨床的に意義のある癌は,MRI 標的生検群では 95 例(38%)に検出されたのに対し,標準生検群では 248 例中 64 例(26%)に検出された(補正後の差 12 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 4~20,P=0.005).MRI は,標的生検の施行の有無を問わず標準生検に対する非劣性を示し,95%信頼区間は標準生検に対する優越性を示した.臨床的に意義のない癌と診断された例は,MRI 標的生検群のほうが標準生検群よりも少なかった(補正後の差 -13 パーセントポイント,95% CI -19~-7,P<0.001).

結 論

前立腺癌の臨床的リスクがある生検を受けたことのない男性において,生検前 MRI と MRI 標的生検によるリスク評価の実施は,標準的な経直腸的超音波ガイド下生検に対して優越性を示した.(英国国立健康研究所,欧州泌尿器科学会研究財団から研究助成を受けた.PRECISION 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02380027)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1767 - 77. )