The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 14, 2018 Vol. 378 No. 24

禁煙のための電子たばこ,インセンティブ,薬剤に関する実用的試験
A Pragmatic Trial of E-Cigarettes, Incentives, and Drugs for Smoking Cessation

S.D. Halpern and Others

背景

特別な選択をしない喫煙者において,金銭的インセンティブ,薬物療法,電子たばこが禁煙を促進するかどうかは不明である.

方 法

54 社に勤務する喫煙者を,4 つの禁煙介入のうちの 1 つまたは通常ケアに無作為に割り付けた.通常ケアでは,禁煙の利益に関する情報と動機付けメッセージ配信サービスを提供した.4 つの介入では,通常ケアのほかに,それぞれ無料の禁煙補助薬(ニコチン代替療法または薬物療法,これらの標準療法が失敗した場合に電子たばこを使用),標準療法を試みたことを要件としない無料の電子たばこ,無料の禁煙補助薬と禁煙継続に対する 600 ドルの報奨金,無料の禁煙補助薬と禁煙の目標が達成できなかった場合に各参加者の口座から引き落とされる 600 ドルの払い戻し可能な保証金のいずれかを追加した.禁煙開始日から 6 ヵ月間の禁煙継続を主要評価項目とした.

結 果

登録を呼びかけた喫煙者 6,131 例のうち,125 例が辞退し,6,006 例が無作為化された.6 ヵ月禁煙継続率は,通常ケア群 0.1%,無料の禁煙補助薬群 0.5%,無料の電子たばこ群 1.0%,報奨金
群 2.0%,払い戻し可能な保証金群 2.9%であった.禁煙継続率に関して,払い戻し可能な保証金と報奨金は無料の禁煙補助薬に対し優越性を示した(それぞれ P<0.001 と P=0.006,多重比較補正後の有意水準).払い戻し可能な保証金は無料の電子たばこに対し優越性を示した(P=0.008).無料の電子たばこは通常ケアに対しても(P=0.20),無料の禁煙補助薬に対しても(P=0.43)優越性を示さなかった.この試験に積極的に参加した従業員(「積極的に取り組んだ」コホート)1,191 例(19.8%)では,禁煙継続率が試験に積極的に取り組まなかった参加者の 4~6 倍で,相対的な有効性は同程度であった.

結 論

禁煙に関する実用的試験において,無料の禁煙補助薬に金銭的インセンティブを追加した群のほうが,無料の禁煙補助薬のみの群よりも禁煙継続率が高かった.通常ケア(情報と動機付けメッセージの提供)を受けた喫煙者では,無料の禁煙補助薬や電子たばこを追加しても利益は認められなかった.(Vitality Institute から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02328794)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 2302 - 10. )