The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 15, 2018 Vol. 378 No. 7

炭酸水素ナトリウムとアセチルシステインを用いた血管造影後の転帰
Outcomes after Angiography with Sodium Bicarbonate and Acetylcysteine

S.D. Weisbord and Others

背景

炭酸水素ナトリウムの静脈内投与とアセチルシステインの経口投与は,有効性を示す明確なエビデンスがないまま血管造影後の急性腎障害および関連する有害転帰を予防する目的で広く使用されている.

方 法

腎合併症のリスクが高く,血管造影が予定されている患者 5,177 例を,2×2 の要因デザインを用いて,1.26%炭酸水素ナトリウムを静脈内投与する群と 0.9%塩化ナトリウムを静脈内投与する群に無作為に割り付け,さらに 5 日間アセチルシステインを経口投与する群とプラセボを経口投与する群に無作為に割り付けた.このうち 4,993 例を修正 intention-to-treat 解析の対象とした.90 日の時点における死亡,透析の必要性,血清クレアチニン値のベースラインから 50%以上の上昇の持続の複合を主要評価項目とした.造影剤関連急性腎障害を副次的評価項目の 1 つとした.

結 果

事前に規定した中間解析後,試験依頼者により試験は中止された.主要評価項目について,炭酸水素ナトリウムとアセチルシステインとのあいだに交互作用は認められなかった(P=0.33).主要評価項目が発生したのは,炭酸水素ナトリウム群 2,511 例中 110 例(4.4%)に対し,塩化ナトリウム群 2,482 例中 116 例(4.7%)であり(オッズ比 0.93,95%信頼区間 [CI] 0.72~1.22,P=0.62),アセチルシステイン群 2,495 例中 114 例(4.6%)に対し,プラセボ群 2,498 例中 112 例(4.5%)であった(オッズ比 1.02,95% CI 0.78~1.33,P=0.88).造影剤関連急性腎障害の発生率に群間で有意差は認められなかった.

結 論

腎合併症のリスクが高く,血管造影を受ける予定の患者では,90 日の時点における死亡,透析の必要性,腎機能低下の持続の予防,および造影剤関連急性腎障害の予防に関して,炭酸水素ナトリウムの静脈内投与に塩化ナトリウムの静脈内投与を上回る利益は認められず,アセチルシステインの経口投与にもプラセボを上回る利益は認められなかった.(米国退役軍人省研究開発局,オーストラリア国立保健医療研究審議会から研究助成を受けた.PRESERVE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01467466)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 603 - 14. )