The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 1, 2018 Vol. 378 No. 9

敗血症性ショック患者に対するグルココルチコイド補助療法
Adjunctive Glucocorticoid Therapy in Patients with Septic Shock

B. Venkatesh and Others

背景

ヒドロコルチゾンによって敗血症性ショック患者の死亡率が低下するかどうかは明らかにされていない.

方 法

人工呼吸管理を行う予定の敗血症性ショック患者を,ヒドロコルチゾン(200 mg/日)群とプラセボ群に無作為に割り付け,7 日間,または死亡するか集中治療室(ICU)を退室するまで投与した.90 日の時点での全死因死亡を主要評価項目とした.

結 果

2013 年 3 月~2017 年 4 月の期間に,3,800 例を無作為化した.主要評価項目の状態が確認されたのは 3,658 例(ヒドロコルチゾン群 1,832 例,プラセボ群 1,826 例)であった.90 日の時点で,ヒドロコルチゾン群の 511 例(27.9%)とプラセボ群の 526 例(28.8%)が死亡していた(オッズ比 0.95,95%信頼区間 [CI] 0.82~1.10,P=0.50).事前に規定した 6 つのサブグループでも,試験レジメンの効果は同様であった.ヒドロコルチゾン群の患者では,プラセボ群の患者よりもショックの消失が早かった(期間の中央値 3 日 [四分位範囲 2~5] 対 4 日 [四分位範囲 2~9],ハザード比 1.32,95% CI 1.23~1.41,P<0.001).ヒドロコルチゾン群の患者では,プラセボ群の患者よりも初回の人工呼吸器装着期間が短かったが(中央値 6 日 [四分位範囲 3~18] 対 7 日 [四分位範囲 3~24],ハザード比 1.13,95% CI 1.05~1.22,P<0.001),再装着を考慮すると,生存し人工呼吸器を装着していない日数に有意差は認められなかった.輸血を受けた患者は,ヒドロコルチゾン群のほうがプラセボ群よりも少なかった(37.0% 対 41.7%,オッズ比 0.82,95% CI 0.72~0.94,P=0.004).28 日死亡率,ショックの再発率,生存し ICU を退室していた日数,生存し退院していた日数,人工呼吸器再装着,腎代替療法の施行率,菌血症または真菌血症の新規発症率に関して,群間で有意差は認められなかった.

結 論

人工呼吸管理を行う予定の敗血症性ショック患者において,ヒドロコルチゾンの持続静注により,90 日死亡率がプラセボよりも低くなることはなかった.(オーストラリア国立保健医療研究審議会ほかから研究助成を受けた.ADRENAL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01448109)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 797 - 808. )