The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 1, 2018 Vol. 378 No. 9

急性・重症成人における調整晶質液と生理食塩水との比較
Balanced Crystalloids versus Saline in Critically Ill Adults

M.W. Semler and Others

背景

急性・重症成人患者の静脈内輸液には調整晶質液と生理食塩水の両方が用いられるが,どちらがより良好な臨床転帰をもたらすかは不明である.

方 法

1 ヵ所の大学医療施設の集中治療室(ICU)5 室で行われた実用的クラスター無作為化マルチクロスオーバー試験において,患者が入室する ICU を無作為化して,成人 15,802 例を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)群と調整晶質液(乳酸リンゲル液または Plasma-Lyte A)群に割り付けた.30 日以内の全死因死亡・新規腎代替療法・持続性の腎機能障害(クレアチニン値がベースラインの 200%以上に上昇することと定義)の複合から成る主要有害腎イベントを主要評価項目とし,すべて退院または 30 日後のいずれか早い時点で打切りとした.

結 果

調整晶質液群 7,942 例のうち,主要有害腎イベントは 1,139 例(14.3%)に発生したのに対し,生理食塩水群では 7,860 例中 1,211 例(15.4%)に発生した(患者集団レベルのオッズ比 0.91,95%信頼区間 [CI] 0.84~0.99,ICU レベルのオッズ比 0.90,95% CI 0.82~0.99,P=0.04).30 日院内死亡率は調整晶質液群 10.3%,生理食塩水群 11.1%であった(P=0.06).新規腎代替療法の開始率はそれぞれ 2.5%と 2.9%であり(P=0.08),持続性の腎機能障害の発生率はそれぞれ 6.4%と 6.6%であった(P=0.60).

結 論

急性・重症成人患者の静脈内輸液に調整晶質液を用いた場合,生理食塩水を用いた場合と比較して,全死因死亡・新規腎代替療法・持続性の腎機能障害から成る複合評価項目の発生率が低くなった.(ヴァンダービルト クリニカル・トレンスレーショナルリサーチ研究所ほかから研究助成を受けた.SMART-MED 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02444988,SMART-SURG 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02547779)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 829 - 39. )