The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 1, 2018 Vol. 378 No. 9

非重症成人における調整晶質液と生理食塩水との比較
Balanced Crystalloids versus Saline in Noncritically Ill Adults

W.H. Self and Others

背景

調整晶質液と生理食塩水の相対的臨床効果は,とくに集中治療室(ICU)以外で治療を受ける非重症患者について,明らかにされていない.

方 法

救急部で晶質液の静脈内投与を受けた後に ICU 以外に入院した成人を対象に,調整晶質液(乳酸リンゲル液または Plasma-Lyte A)を生理食塩水と比較する,単一施設実用的マルチクロスオーバー試験を行った.救急部で投与する晶質液の種類は暦月ごとに各患者に割り付け,16 ヵ月の試験期間中に救急部全体で調整晶質液と生理食塩水とを毎月クロスオーバーした.非入院日数(救急受診後 28 日時点までの退院後生存日数)を主要評価項目とした.30 日以内の全死因死亡・新規腎代替療法・持続性の腎機能障害(クレアチニン値がベースラインの 200%以上に上昇することと定義)の複合から成る主要有害腎イベントなどを副次的評価項目とし,すべて退院または 30 日後のいずれか早い時点で打切りとした.

結 果

13,347 例を登録した.救急部で投与された晶質液量の中央値は 1,079 mL であり,患者の 88.3%が割り付けられた晶質液のみを投与された.非入院日数に調整晶質液群と生理食塩水群とで差は認められなかった(中央値は各群 25 日,調整晶質液の補正オッズ比 0.98,95%信頼区間 [CI] 0.92~1.04,P=0.41).30 日以内の主要有害腎イベントの発生率は,調整晶質液群のほうが生理食塩水群よりも低かった(4.7% 対 5.6%,補正オッズ比 0.82,95% CI 0.70~0.95,P=0.01).

結 論

救急部で静脈内輸液を受けた非重症の成人において,調整晶質液を投与した場合と生理食塩水を投与した場合とで,非入院日数に差は認められなかった.(ヴァンダービルト クリニカル・トレンスレーショナルリサーチ研究所ほかから研究助成を受けた.SALT-ED 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02614040)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 819 - 28. )