The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 13, 2018 Vol. 379 No. 11

小児多発性硬化症に対するフィンゴリモドとインターフェロンβ-1a との比較試験
Trial of Fingolimod versus Interferon Beta-1a in Pediatric Multiple Sclerosis

T. Chitnis and Others

背景

18 歳未満の多発性硬化症小児患者の治療は,無作為化試験による十分な検討が行われていない.われわれはこの集団を対象に,フィンゴリモドとインターフェロンβ-1a とを比較した.

方 法

第 3 相試験で,10~17 歳の再発型多発性硬化症の患児を,フィンゴリモド 0.5 mg(体重が 40 kg 以下の場合は 0.25 mg)を 1 日 1 回経口投与する群と,インターフェロンβ-1a 30 mg を週 1 回筋肉内投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,それぞれ最長 2 年間投与した.主要評価項目は年間再発率とした.

結 果

215 例のうち,107 例がフィンゴリモド群に,108 例がインターフェロンβ-1a 群に割り付けられた.患児の平均年齢は 15.3 歳であった.全体で,試験前の 2 年間に平均 2.4 回の再発があった.調整後の年間再発率は,フィンゴリモド群で 0.12 回,インターフェロンβ-1a 群で 0.67 回であった(再発の絶対差 0.55 回,相対差 82%,P<0.001).主な副次的評価項目である T2 強調 MRI 画像上の新規の病変または新たに拡大した病変の年間発生率は,フィンゴリモド群で 4.39 個,インターフェロンβ-1a 群で 9.27 個であった(病変の絶対差 4.88 個,相対差 53%,P<0.001).多発性硬化症の再発を除いた有害事象は,フィンゴリモドの投与を受けた患児の 88.8%と,インターフェロンβ-1a の投与を受けた患児の 95.3%に発現した.フィンゴリモド群では重篤な有害事象は 18 例(16.8%)に発現し,痙攣(4 例),感染(4 例),白血球減少(2 例)などであった.インターフェロンβ-1a 群では重篤な有害事象は 7 例(6.5%)に発現し,感染(2 例),上室頻拍(1 例)などであった.

結 論

再発型多発性硬化症の小児患者において,フィンゴリモドは,インターフェロンβ-1a と比較して 2 年間での再発率が低いことと,MRI 画像上病変の蓄積が少ないことに関連していたが,重篤な有害事象の発現率が高いことに関連していた.小児多発性硬化症におけるフィンゴリモドの効果の持続性と安全性を明らかにするために,より長期の試験が必要である.(Novartis Pharma 社から研究助成を受けた.PARADIGMS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01892722)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1017 - 27. )