The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 8, 2018 Vol. 379 No. 19

重症患者に対する高エネルギー経腸栄養とルーチンの経腸栄養との比較
Energy-Dense versus Routine Enteral Nutrition in the Critically Ill

The TARGET Investigators, for the ANZICS Clinical Trials Group

背景

重症疾患時に異なるカロリーの栄養補給を行った場合の効果は明らかではなく,一般に推奨量未満の投与が行われている.

方 法

オーストラリアとニュージーランドの 46 の集中治療室(ICU)において,人工呼吸管理下の成人を対象に,高エネルギー(1.5 kcal/mL)の経腸栄養をルーチン(1.0 kcal/mL)の経腸栄養と比較評価する目的で,多施設共同二重盲検無作為化試験を行った.投与速度は 1 mL/kg 標準体重/時間とし,栄養管理導入時またはその 12 時間以内に開始し,ICU 在室中に最長 28 日間継続した.主要評価項目は 90 日以内の全死因死亡とした.

結 果

3,957 例を修正 intention-to-treat 解析の対象とした(1.5 kcal 群 1,971 例,1.0 kcal 群 1,986 例).試験期間中の経腸栄養剤の投与量は両群で同程度であった.しかし,1.5 kcal 群の患者は平均(±SD)で 1,863±478 kcal/日投与されたのに対し,1.0 kcal 群の患者は 1,262±313 kcal/日であった(差の平均 601 kcal/日,95%信頼区間 [CI] 576~626).90 日目までに,1.5 kcal 群の 1,948 例中 523 例(26.8%)と,1.0 kcal 群の 1,966 例中 505 例(25.7%)が死亡した(相対リスク 1.05,95% CI 0.94~1.16,P=0.41).事前に規定した 7 つのサブグループでも同様の結果であった.高カロリー投与による,生存期間,臓器補助の導入,生存し ICU 外にいる日数,生存し院外にいる日数,生存し臓器補助を要しなかった日数,感染性合併症の発症,有害事象の発現への影響は認められなかった.

結 論

人工呼吸管理下の患者において,経腸栄養補給に高エネルギー栄養剤を使用した場合の 90 日生存率は,ルーチンの経腸栄養を行った場合と比較して高くなかった.(オーストラリア国立保健医療研究審議会,ニュージーランド保健研究評議会から研究助成を受けた.TARGET 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02306746)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 1823 - 34. )