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November 22, 2018 Vol. 379 No. 21

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ALK 陽性非小細胞肺癌に対するブリガチニブとクリゾチニブとの比較
Brigatinib versus Crizotinib in ALK-Positive Non–Small-Cell Lung Cancer

D.R. Camidge and Others

背景

次世代未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬であるブリガチニブ(brigatinib)は,クリゾチニブ抵抗性の ALK 陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対して強い有効性を示す.ALK 阻害薬による治療歴のない進行 ALK 陽性 NSCLC 患者に対するブリガチニブの,クリゾチニブと比較した有効性は不明である.

方 法

非盲検第 3 相試験で,ALK 阻害薬による治療歴のない進行 ALK 陽性 NSCLC 患者を,ブリガチニブ 1 回 180 mg(7 日間の導入期には 90 mg)を 1 日 1 回投与する群とクリゾチニブ 1 回 250 mg を 1 日 2 回投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,盲検下での独立した中央判定で評価された無増悪生存期間とした.副次的評価項目は,客観的奏効率,頭蓋内奏効率などとした.最初の中間解析は,予測された病勢進行または死亡 198 件の約 50%が起こった時点で計画された.

結 果

275 例が無作為化され,137 例がブリガチニブ群,138 例がクリゾチニブ群に割り付けられた.最初の中間解析の時点で(イベント 99 件),追跡期間中央値はブリガチニブ群 11.0 ヵ月,クリゾチニブ群 9.3 ヵ月であった.無増悪生存率は,ブリガチニブ群のほうがクリゾチニブ群よりも高かった(12 ヵ月無増悪生存率の推定値 67% [95%信頼区間 {CI} 56~75] 対 43% [95% CI 32~53],病勢進行または死亡のハザード比 0.49 [95% CI 0.33~0.74],log-rank 検定による P<0.001).確定した客観的奏効率はブリガチニブ群 71%(95% CI 62~78),クリゾチニブ群 60%(95% CI 51~68)であり,測定可能病変を有する患者において確定した頭蓋内奏効率はそれぞれ 78%(95% CI 52~94),29%(95% CI 11~52)であった.安全性に関する新たな懸念は認められなかった.

結 論

ALK 阻害薬による治療歴のない ALK 陽性 NSCLC 患者において,ブリガチニブの投与を受けた患者の無増悪生存期間は,クリゾチニブの投与を受けた患者よりも有意に長かった.(Ariad Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ALTA-1L 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02737501)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 2027 - 39. )