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November 22, 2018 Vol. 379 No. 21

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扁平上皮非小細胞肺癌に対するペムブロリズマブと化学療法の併用
Pembrolizumab plus Chemotherapy for Squamous Non–Small-Cell Lung Cancer

L. Paz-Ares and Others

背景

転移がある扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)の標準的な一次治療は,プラチナ製剤ベースの化学療法または(腫瘍細胞の 50%以上でプログラム細胞死リガンド 1 [PD-L1] が発現している患者に対する)ペムブロリズマブである.より最近,ペムブロリズマブと化学療法の併用によって,非扁平上皮 NSCLC 患者の全生存期間が有意に延長することが示された.

方 法

二重盲検第 3 相試験において,前治療歴のない転移がある扁平上皮 NSCLC 患者 559 例を,ペムブロリズマブ 200 mg の投与を受ける群と生理食塩水のプラセボ投与を受ける群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,最大で 35 サイクル投与した.全例が,最初の 4 サイクルで,カルボプラチンと,パクリタキセルまたはナノ粒子アルブミン結合(nab)-パクリタキセルのいずれかの投与も受けた.主要評価項目は全生存期間と無増悪生存期間とした.

結 果

追跡期間中央値 7.8 ヵ月の時点で,全生存期間中央値はペムブロリズマブ併用群 15.9 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 13.2~未到達),プラセボ併用群 11.3 ヵ月(95% CI 9.5~14.8)であった(死亡のハザード比 0.64,95% CI 0.49~0.85,P<0.001).全生存期間に対する利益は,PD-L1 発現量にかかわらず一貫していた.無増悪生存期間中央値はペムブロリズマブ併用群 6.4 ヵ月(95% CI 6.2~8.3),プラセボ併用群 4.8 ヵ月(95% CI 4.3~5.7)であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.56,95% CI 0.45~0.70,P<0.001).グレード 3 以上の有害事象は,ペムブロリズマブ併用群の 69.8%とプラセボ併用群の 68.2%に発現した.有害事象による治療中止は,ペムブロリズマブ併用群のほうがプラセボ併用群よりも頻度が高かった(13.3% 対 6.4%).

結 論

前治療歴のない転移がある扁平上皮 NSCLC 患者において,カルボプラチンと,パクリタキセルまたは nab-パクリタキセルを併用する化学療法にペムブロリズマブを追加した場合,化学療法単独と比較して全生存期間と無増悪生存期間が有意に延長した.(Merck Sharp & Dohme 社から研究助成を受けた.KEYNOTE-407 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02775435)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 2040 - 51. )