The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 6, 2018 Vol. 379 No. 23

消化管出血リスクのある集中治療室患者に対するパントプラゾール
Pantoprazole in Patients at Risk for Gastrointestinal Bleeding in the ICU

M. Krag and Others

背景

集中治療室(ICU)患者にはストレス潰瘍予防が高頻度に行われるが,そのリスクと利益は明らかではない.

方 法

欧州の多施設共同並行群間盲検試験で,急性疾患のため ICU に入室(すなわち予定外に入室)した消化管出血リスクのある成人患者を,ICU 在室中,1 日 40 mg のパントプラゾール(pantoprazole)(プロトンポンプ阻害薬)を静注する群とプラセボを静注する群に無作為に割り付けた.主要転帰は,無作為化後 90 日までの死亡とした.

結 果

3,298 例が登録され,1,645 例がパントプラゾール群,1,653 例がプラセボ群に無作為に割り付けられた.主要転帰のデータは 3,282 例(99.5%)で入手しえた.90 日の時点で,パントプラゾール群の 510 例(31.1%)とプラセボ群の 499 例(30.4%)が死亡していた(相対リスク 1.02,95%信頼区間 [CI] 0.91~1.13,P=0.76).ICU 在室中,1 件以上の臨床的に重要なイベント(臨床的に重要な消化管出血,肺炎,Clostridium difficile 感染症,心筋虚血の複合)が,パントプラゾールに割り付けられた例の 21.9%とプラセボに割り付けられた例の 22.6%で発生した(相対リスク 0.96,95% CI 0.83~1.11).パントプラゾール群では 2.5%に臨床的に重要な消化管出血が発生したのに対し,プラセボ群では 4.2%に発生した.感染症や重篤な有害反応が発生した患者数,90 日以内の生命維持装置を伴わない生存日数の割合は,2 群で同程度であった.

結 論

消化管出血リスクのある成人 ICU 患者のうち,パントプラゾールに割り付けられた例とプラセボに割り付けられた例とで,90 日死亡率と臨床的に重要なイベント件数は同程度であった.(デンマークイノベーション基金ほかから研究助成を受けた.SUP-ICU試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02467621)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 2199 - 208. )