The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 6, 2018 Vol. 379 No. 23

MUC5B プロモーター変異体と間質性肺疾患を合併する関節リウマチ
MUC5B Promoter Variant and Rheumatoid Arthritis with Interstitial Lung Disease

P.-A. Juge and Others

背景

関節リウマチ(RA)関連間質性肺疾患(ILD)(以下 RA-ILD)と特発性肺線維症は表現型が類似していることから,われわれは,特発性肺線維症発症の最大の危険因子である MUC5B プロモーターの機能獲得型変異体 rs35705950 が,RA 患者の ILD リスクにも寄与しているという仮説を立てた.

方 法

発見集団と複数の検証集団を設定し,RA-ILD 患者 620 例,ILD を合併していない RA 患者 614 例,非罹患対照 5,448 例における MUC5B プロモーター変異体 rs35705950 の関連を検討した.

結 果

発見集団の解析では,RA-ILD 患者と非罹患対照を比較した場合に,MUC5B プロモーター変異体のマイナーアレルと RA-ILD とのあいだに関連が認められた(補正オッズ比 3.8,95%信頼区間 [CI] 2.8~5.2,P=9.7×10-17).MUC5B プロモーター変異体は,多民族症例シリーズの解析(補正オッズ比 5.5,95% CI 4.2~7.3,P=4.7×10-35)と,発見集団と多民族症例シリーズの統合解析(補正オッズ比 4.7,95% CI 3.9~5.8,P=1.3×10-49)においても,RA-ILD 患者では,非罹患対照と比較して有意に過剰出現していた.さらに,MUC5B プロモーター変異体は,RA 患者で ILD の高いリスクと関連しており(統合解析における補正オッズ比 3.1,95% CI 1.8~5.4,P=7.4×10-5),とくに,高分解能 CT により通常型間質性肺炎の所見が認められた RA 患者で関連していた(統合解析における補正オッズ比 6.1,95% CI 2.9~13.1,P=2.5×10-6).しかし,RA のみの診断については,MUC5B プロモーター変異体との有意な関連は認められなかった.

結 論

MUC5B プロモーター変異体は RA-ILD と関連し,とりわけ画像上通常型間質性肺炎の所見と関連することが認められた.(フランスリウマチ学会ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 2209 - 19. )