The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 2, 2018 Vol. 379 No. 5

成人の潜在性結核感染に対する 4 ヵ月間のリファンピン投与と 9 ヵ月間のイソニアジド投与との比較
Four Months of Rifampin or Nine Months of Isoniazid for Latent Tuberculosis in Adults

D. Menzies and Others

背景

潜在性結核感染を有する人では,イソニアジドの 9 ヵ月レジメンによって活動性結核を予防できる可能性がある.しかしこのレジメンは,遵守率が低いことと毒性との関連が認められている.

方 法

9 ヵ国で行われた非盲検試験で,潜在性結核感染を有する成人を,無作為化後 28 ヵ月以内に確認される活動性結核を予防するために,4 ヵ月のリファンピン(rifampin)レジメンによる治療を受ける群と,9 ヵ月のイソニアジドレジメンによる治療を受ける群に無作為に割り付けた.非劣性と,優越性の可能性を評価した.副次的転帰は,臨床的に診断された活動性結核,グレード 3~5 の有害事象,治療レジメンの完了などとした.転帰は独立判定委員会が判定した.

結 果

リファンピン群 3,443 例では,7,732 人年の追跡期間中に,確認された活動性結核は 4 例に発生し,臨床的に診断された活動性結核は 4 例に発生したのに対し,イソニアジド群 3,416 例では,7,652 人年の追跡期間中にそれぞれ 4 例と 5 例に発生した.発生率の差(リファンピン-イソニアジド)は,確認された活動性結核が 100 人年あたり 0.01 件未満(95%信頼区間 [CI] -0.14~0.16),確認されたまたは臨床的に診断された結核が 100 人年あたり 0.01 件未満(95% CI -0.23~0.22)であった.確認された結核と,確認されたまたは臨床的に診断された結核の発生率の差の 95%信頼区間上限値は,事前に規定した累積発生率の非劣性マージンである 0.75 パーセントポイントを下回ったが,リファンピンレジメンはイソニアジドレジメンに対する優越性を示さなかった.治療完了率の差は 15.1 パーセントポイント(95% CI 12.7~17.4)であった.146 日(計画されたリファンピンレジメンの予定期間である 4 ヵ月の 120%)以内のグレード 3~5 の有害事象の発現率の差は,全事象で -1.1 パーセントポイント(95% CI -1.9~-0.4),肝毒性事象で -1.2 パーセントポイント(95% CI -1.7~-0.7)であった.

結 論

4 ヵ月のリファンピンレジメンは,活動性結核の予防に関して,9 ヵ月のイソニアジドレジメンに対する非劣性を示し,治療完了率がより高いことと安全性がより高いことに関連した.(カナダ国立保健研究機構,オーストラリア国立保健医療研究審議会から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00931736)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 440 - 53. )