The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 10, 2019 Vol. 380 No. 2

サハラ以南のアフリカにおける鎌状赤血球貧血の小児に対するハイドロキシウレア
Hydroxyurea for Children with Sickle Cell Anemia in Sub-Saharan Africa

L. Tshilolo and Others

背景

ハイドロキシウレアは鎌状赤血球貧血の有効な治療薬であるが,鎌状赤血球貧血の負担がとくに大きいサハラ以南のアフリカでは試験はほとんど行われていない.資源の乏しい環境では,栄養失調やマラリアなどの併存疾患が,ハイドロキシウレア投与の実施可能性,安全性,利益に影響を及ぼす可能性がある.

方 法

サハラ以南の 4 ヵ国で鎌状赤血球貧血の 1~10 歳の小児を組み入れた.小児に,ハイドロキシウレア 15~20 mg/kg 体重/日を 6 ヵ月間投与し,その後用量を漸増した.評価項目は,実施可能性(組入れ,継続,アドヒアランス),安全性(用量,毒性,マラリア),利益(臨床検査項目,鎌状赤血球関連イベント,輸血,生存)とした.

結 果

目標を満たす 635 例が組み入れられ,このうち 606 例がスクリーニングを完了し,平均(±SD)17.5±1.8 mg/kg/日のハイドロキシウレアを開始した.開始後 3 年の時点での継続率は 94.2%であった.ハイドロキシウレア療法によって,ヘモグロビン値と胎児ヘモグロビン値の両方が有意に上昇した.臨床検査項目に関する用量制限毒性イベントは参加者の 5.1%に発生したが,プロトコールで規定した安全性の閾値を下回っていた.投与期間中,用量制限毒性イベントは 100 患者年あたり 20.6 件発生したのに対し,投与前は 100 患者年あたり 20.7 件であった.ハイドロキシウレアの使用により,投与前期間と比較して臨床的有害事象の発現率は低下し,血管閉塞性疼痛(100 患者年あたり 98.3 件 対 44.6 件,発生率比 0.45,95%信頼区間 [CI] 0.37~0.56),マラリア以外の感染症(100 患者年あたり 142.5 件 対 90.0 件,発生率比 0.62,95% CI 0.53~0.72),マラリア(100 患者年あたり 46.9 件 対 22.9 件,発生率比 0.49,95% CI 0.37~0.66),輸血(100 患者年あたり 43.3 件 対 14.2 件,発生率比 0.33,95% CI 0.23~0.47),死亡(100 患者年あたり 3.6 件 対 1.1 件,発生率比 0.30,95% CI 0.10~0.88)などが低下した.

結 論

サハラ以南のアフリカに居住する鎌状赤血球貧血の小児において,ハイドロキシウレアの投与は実施可能かつ安全であった.ハイドロキシウレアの使用により,血管閉塞性イベント,感染症,マラリア,輸血,死亡の発生率が低下したことから,治療へのより広範なアクセスの必要性が裏付けられる.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.REACH 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01966731)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 121 - 31. )