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日本語アブストラクト

March 28, 2019 Vol. 380 No. 13

心臓手術における揮発性麻酔薬と全静脈麻酔との比較
Volatile Anesthetics versus Total Intravenous Anesthesia for Cardiac Surgery

G. Landoni and Others

背景

揮発性(吸入)麻酔薬には心保護作用があり,冠動脈バイバス術(CABG)を受ける患者の臨床転帰を改善する可能性がある.

方 法

13 ヵ国の 36 施設で実用的多施設共同単盲検比較試験を行った.待期的 CABG が予定されている患者を,揮発性麻酔薬(デスフルラン,イソフルラン,セボフルランのいずれか)を含む術中麻酔レジメン群と全静脈麻酔群に無作為に割り付けた.主要転帰は 1 年の時点での全死因死亡とした.

結 果

5,400 例が無作為化され,2,709 例が揮発性麻酔薬群,2,691 例が全静脈麻酔群に割り付けられた.患者の 64%でオンポンプ CABG が施行され,人工心肺時間の平均は 79 分であった.ベースラインの人口統計学的特性・臨床的特性,人工心肺時間,グラフト数は 2 群で同様であった.2 回目の中間解析の時点で,データ安全性モニタリング委員会は,無益性のため試験を中止すべきであると勧告した.全死因死亡について,1 年の時点でデータを入手しえた 5,353 例(99.1%)に群間で有意差は認められず(揮発性麻酔薬群 2.8%と全静脈麻酔群 3.0%,相対リスク 0.94,95%信頼区間 [CI] 0.69~1.29,P=0.71),30 日の時点でデータを入手しえた 5,398 例(99.9%)にも群間で有意差は認められなかった(それぞれ 1.4%と 1.3%,相対リスク 1.11,95% CI 0.70~1.76).副次的転帰のいずれにも,心筋梗塞などの事前に規定した有害事象の発現にも,群間で有意差は認められなかった.

結 論

待期的 CABG を受ける患者において,揮発性麻酔薬による麻酔を行った場合,全静脈麻酔と比較して 1 年の時点での死亡数が有意に少なくなることはなかった.(イタリア保健省から研究助成を受けた.MYRIAD 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02105610)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 1214 - 25. )