The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 7, 2019 Vol. 380 No. 10

リベリアにおけるエボラ後遺症の縦断的研究
A Longitudinal Study of Ebola Sequelae in Liberia

The PREVAIL III Study Group

背景

エボラウイルス病(EVD)生存者で複数の健康問題が報告されている.解析に対照群を用いなければ,これらの問題の原因を EVD に帰するのは困難である.

方 法

EVD 生存者とその濃厚接触者のコホートを組み入れ,症状,身体所見,臨床検査結果のデータを前向きに収集した.参加者の一部は眼科の診察を受けた.生存者の精液検体におけるエボラウイルス(EBOV)RNA の残存性を判定した.

結 果

EBOV 抗体陽性生存者 966 例と抗体陰性濃厚接触者(対照者)2,350 例を組み入れ,このうち 90%を 12 ヵ月間追跡した.組入れ(症状発現からベースライン受診までの期間の中央値 358 日)の時点で,生存者において対照者よりも報告頻度が有意に高かった症状は,頻尿(14.7% 対 3.4%),頭痛(47.6% 対 35.6%),倦怠感(18.4% 対 6.3%),筋肉痛(23.1% 対 10.1%),記憶喪失(29.2% 対 4.8%),関節痛(47.5% 対 17.5%)の 6 つであった.診察で,腹部所見,胸部所見,神経学的所見,筋骨格系所見の異常とぶどう膜炎を認めた例は,生存者のほうが対照者よりも多かった.これらのうち,ぶどう膜炎(組入れ時点での有病率 26.4% 対 12.1%,1 年の時点での有病率 33.3% 対 15.4%)以外の有病率は,両群とも追跡期間中に低下した.ほとんどの症状,神経学的所見,ぶどう膜炎の発生率は生存者のほうが対照者よりも高かった.EBOV RNA は,検査した生存者の 30%の精液検体で検出され,EVD 発症から検出までの期間は最長で 40 ヵ月であった.

結 論

症状の負担は全参加者で比較的大きかったが,一部の症状と検査所見については生存者のほうが頻度が高かった.これらの状態の有病率は,ぶどう膜炎を除き,いずれの群でも追跡期間中に低下した.精液中のウイルス RNA は最長 40 ヵ月間残存した.(米国国立アレルギー・感染症研究所,米国国立眼研究所から研究助成を受けた.PREVAIL III 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02431923)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 924 - 34. )