反復性群発頭痛の予防におけるガルカネズマブの試験
Trial of Galcanezumab in Prevention of Episodic Cluster Headache
P.J. Goadsby and Others
反復性群発頭痛は日常生活に支障をきたす神経疾患であり,数週から数ヵ月の期間に毎日起こる頭痛発作を特徴とする.カルシトニン遺伝子関連ペプチドに対するヒト化モノクローナル抗体ガルカネズマブ(galcanezumab)は,群発頭痛の予防薬となる可能性がある.
ベースライン評価期間に発作が 2 日に 1 回以上,計 4 回以上,1 日 8 回以下の頻度で起こり,6 週間以上持続する群発頭痛の既往を有する患者を組み入れ,ガルカネズマブ(300 mg)またはプラセボに無作為に割り付けた.投与はベースラインと 1 ヵ月の時点で皮下投与により行った.主要評価項目は,初回投与後 1~3 週目の群発頭痛の 1 週間あたりの発作頻度のベースラインからの平均変化量とした.主な副次的評価項目は,3 週の時点で群発頭痛の 1 週間あたりの発作頻度がベースラインから 50%以上減少した患者の割合とした.安全性も評価した.
適格基準を満たすボランティアが少なすぎたため,計画したサンプルサイズ 162 例に達する前に募集は中止された.組み入れられた 106 例のうち,49 例がガルカネズマブ群,57 例がプラセボ群に無作為に割り付けられた.ベースライン期間の群発頭痛の 1 週間あたりの発作回数の平均(±SD)は,ガルカネズマブ群 17.8±10.1 回,プラセボ群 17.3±10.1 回であった.1~3 週目の群発頭痛の 1 週間あたりの発作頻度の平均減少量は,ガルカネズマブ群 8.7 回に対し,プラセボ群 5.2 回であった(差 3.5 回/週,95%信頼区間 0.2~6.7,P=0.04).3 週の時点で頭痛の頻度が 50%以上減少した患者の割合は,ガルカネズマブ群 71%,プラセボ群 53%であった.ガルカネズマブ群の 8%に注射部位の疼痛が認められた以外は,有害事象の発現率に群間に実質的な差はなかった.
ガルカネズマブ 300 mg の月 1 回の皮下投与により,初回投与後 1~3 週目の反復性群発頭痛の 1 週間あたりの発作頻度がプラセボと比較して減少した.(イーライリリー社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02397473)