The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 10, 2019 Vol. 381 No. 15

心筋梗塞に対する多枝 PCI による完全血行再建
Complete Revascularization with Multivessel PCI for Myocardial Infarction

S.R. Mehta and Others

背景

ST 上昇型心筋梗塞(STEMI)患者では,責任病変の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)により,心血管死または心筋梗塞のリスクが低下する.非責任病変に PCI を行うことで,これらのイベントのリスクがさらに低下するかどうかは明らかにされていない.

方 法

STEMI と多枝冠動脈疾患を有し,責任病変の PCI が成功した患者を,血管造影上有意な狭窄を認める非責任病変に対し PCI による完全血行再建を行う戦略と,それ以上の血行再建を行わない戦略に無作為に割り付けた.無作為化は,非責任病変に対する PCI が予定されたタイミング(指標入院の期間中または退院後)で層別化した.第一の主要転帰は心血管死または心筋梗塞の複合とし,第二の主要転帰は心血管死,心筋梗塞,虚血による血行再建の複合とした.

結 果

追跡期間中央値 3 年の時点で,第一の主要転帰は,完全血行再建群の 2,016 例中 158 例(7.8%)に発生したのに対し,責任病変のみの PCI 群では 2,025 例中 213 例(10.5%)に発生した(ハザード比 0.74,95%信頼区間 [CI] 0.60~0.91,P=0.004).第二の主要転帰は,完全血行再建群の 179 例(8.9%)に発生したのに対し,責任病変のみの PCI 群では 339 例(16.7%)に発生した(ハザード比 0.51,95% CI 0.43~0.61,P<0.001).いずれの主要転帰についても,完全血行再建の利益は,非責任病変に対する PCI が予定されたタイミングにかかわらず一貫して認められた(第一の主要転帰の交互作用の P=0.62,第二の主要転帰の交互作用の P=0.27).

結 論

STEMI と多枝冠動脈疾患を有する患者において,完全血行再建は,心血管死または心筋梗塞のリスクのほか,心血管死,心筋梗塞,虚血による血行再建のリスクを減らすことに関して,責任病変のみの PCI に対して優越性を示した.(カナダ国立保健研究機構ほかから研究助成を受けた.COMPLETE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01740479)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1411 - 21. )