The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 14, 2019 Vol. 381 No. 20

天然痘ワクチンとしての改変ワクシニアアンカラの第 3 相有効性試験
Phase 3 Efficacy Trial of Modified Vaccinia Ankara as a Vaccine against Smallpox

P.R. Pittman and Others

背景

天然痘再興への懸念から,多数の国がワクチンを備蓄している.従来の天然痘ワクチンはワクシニアウイルスの複製に基づいており,そのようなワクチンには相当の副作用がある.

方 法

天然痘のワクチンとして可能性のある改変ワクシニアアンカラ(MVA)の有効性を評価するため,参加者 440 人を,MVA を 2 回接種し,その後,確立された複製ワクシニアワクチン ACAM2000 を 1 回接種する群(MVA 群)と,ACAM2000 を 1 回接種する群(ACAM2000 単独群)に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,血清中和抗体価のピークに関する MVA ワクチンの ACAM2000 に対する非劣性と,MVA 接種の先行による ACAM2000 に伴う重大な皮膚反応の減弱(最大病変面積とそこから導出した面積減弱比により測定)の 2 つとした.

結 果

MVA 群に 220 人,ACAM2000 単独群に 213 人が無作為に割り付けられ,接種を受けた.208 人が MVA の接種を 2 回受けた.ピーク受診時に,MVA 接種により誘導された中和抗体価の幾何平均は 6 週の時点で 153.5 であり,ACAM2000 では 4 週の時点で 79.3 であった(比 1.94 [95%信頼区間 {CI} 1.56~2.40]).14 日の時点で,1 回の MVA 接種により誘導された中和抗体価の幾何平均(16.2)は,ACAM2000 接種の場合(16.2)と同等であり,セロコンバージョンが起こった参加者の割合は同程度であった(それぞれ 90.8%と 91.8%).重大な皮膚反応の病変面積の中央値は,MVA 群 0 mm2,ACAM2000 単独群 76.0 mm2 であり,面積減弱比は 97.9%(95% CI 96.6~98.3)であった.有害事象またはグレード 3 以上の有害事象は,MVA 群の 2 回の MVA 接種後の期間はいずれも,ACAM2000 単独群よりも少なかった(グレード 3 以上の有害事象が発現した参加者 17 人 対 64 人,P<0.001).

結 論

MVA ワクチンに関連する安全性の懸念は認められなかった.免疫応答と重大な皮膚反応の減弱から,この MVA ワクチンが天然痘感染を防御したことが示唆される.(米国保健福祉省事前準備対応次官補局生物医学先端研究開発局,ババリアン ノルディック社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01913353)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1897 - 908. )