The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 19, 2020 Vol. 382 No. 12

人工呼吸管理中の重症患者における無鎮静と浅い鎮静との比較
Nonsedation or Light Sedation in Critically Ill, Mechanically Ventilated Patients

H.T. Olsen and Others

背景

人工呼吸管理中の重症患者では,1 日 1 回の鎮静中断により人工呼吸器装着期間と集中治療室(ICU)在室期間が短縮することが示されている.無鎮静計画が,浅い鎮静計画と比較して死亡率に影響を及ぼすかどうかについてのデータは不足している.

方 法

多施設共同無作為化比較試験で,人工呼吸管理中の ICU 患者を,無鎮静の治療計画(無鎮静群)と,1 日 1 回の中断を伴う浅い鎮静(容易に覚醒するレベルまでの鎮静で,リッチモンド興奮・鎮静スケール [RASS] スコア -2~-3 と定義.スコアの範囲は -5 [無反応]~+4 [好戦的])の治療計画(鎮静群)に 1:1 の割合で割り付けた.主要評価項目は 90 日死亡率とした.副次的評価項目は,重大な血栓塞栓イベントの数,昏睡またはせん妄の状態になかった日数,重症度別の急性腎障害,ICU 非滞在日数,人工呼吸器非装着日数などとした.無鎮静群の値から鎮静群の値を引いて群間差を算出した.

結 果

710 例が無作為化され,700 例が修正 intention-to-treat 解析の対象となった.患者のベースライン特性は 2 つの試験群で類似していたが, 急性生理学的異常・慢性度による重症度評価(APACHE)II スコアのみ,無鎮静群のほうが鎮静群よりも 1 ポイント高く,院内死亡の確率がより高いことを示していた.RASS スコアの平均は,無鎮静群では 1 日目の -1.3 から 7 日目の -0.8 に上昇し,鎮静群では 1 日目の -2.3 から 7 日目の -1.8 に上昇した.90 日死亡率は無鎮静群 42.4%,鎮静群 37.0%であった(差 5.4 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -2.2~12.2,P=0.65).ICU 非滞在日数と人工呼吸器非装着日数に試験群間で有意差は認められなかった.昏睡またはせん妄の状態になかった日数の中央値は無鎮静群 27 日,鎮静群 26 日であった.重大な血栓塞栓イベントは無鎮静群の 1 例(0.3%),鎮静群の 10 例(2.8%)に発生した(差 -2.5 パーセントポイント,95% CI -4.8~-0.7 [多重比較の補正なし]).

結 論

人工呼吸管理中の ICU 患者では,無鎮静計画に割り付けられた患者と 1 日 1 回中断する浅い鎮静計画に割り付けられた患者とのあいだで,90 日死亡率に有意差は認められなかった.(デンマーク医学研究評議会ほかから研究助成を受けた.NONSEDA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01967680)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1103 - 11. )