The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 19, 2020 Vol. 382 No. 12

HIV-1 抑制を維持するための長時間作用型カボテグラビルと長時間作用型リルピビリン
Long-Acting Cabotegravir and Rilpivirine for Maintenance of HIV-1 Suppression

S. Swindells and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)感染治療の簡略化されたレジメンは,患者の満足度を高め,アドヒアランスを促進する可能性がある.

方 法

標準的な経口薬による抗レトロウイルス療法中に,血漿中 HIV-1 RNA 量が 6 ヵ月以上 50 コピー/mL 未満であった患者を対象とした第 3 相非盲検多施設共同非劣性試験で,参加者を,各自の経口レジメンを継続する群と,HIV-1 インテグラーゼ鎖転移阻害薬である長時間作用型カボテグラビル(cabotegravir)と非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬である長時間作用型リルピビリンの月 1 回の筋肉内注射に切り替える群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,48 週の時点で HIV-1 RNA 量が 50 コピー/mL 以上であった参加者の割合とし,米国食品医薬品局のスナップショットアルゴリズムを用いて判定した.

結 果

各群 308 例に治療を開始した.48 週の時点で HIV-1 RNA 量が 50 コピー/mL 以上であった参加者は,長時間作用型レジメン群では 5 例(1.6%),経口レジメン群では 3 例(1.0%)であり(補正後の差 0.6 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -1.2~2.5),主要評価項目に関する非劣性基準(非劣性マージン 6 パーセントポイント)を満たす結果であった.48 週の時点で HIV-1 RNA 量が 50 コピー/mL 未満であった参加者の割合は,長時間作用型レジメン群では 92.5%,経口レジメン群では 95.5%であり(補正後の差 -3.0 パーセントポイント,95% CI -6.7~0.7),この評価項目に関する非劣性基準(非劣性マージン -10 パーセントポイント)を満たす結果であった.ウイルス学的失敗は,長時間作用型レジメン群の 3 例と経口レジメン群の 4 例で確認された.有害事象は長時間作用型レジメン群のほうが多く,そのうち注射部位疼痛は,長時間作用型レジメン群では 231 例(75%)に発現し,大部分が軽度または中等度であったが,この有害事象により 1%が中止した.重篤な有害事象が報告されたのは各群 5%以下であった.

結 論

長時間作用型カボテグラビルと長時間作用型リルピビリンの月 1 回の注射は,HIV-1 抑制の維持に関して,標準的な経口レジメンに対して非劣性であった.注射に関連する有害事象が多かったが,投薬中止にいたった例はごくわずかであった.(ヴィーブヘルスケア社,ヤンセン社から研究助成を受けた.ATLAS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02951052)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1112 - 23. )