The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 26, 2020 Vol. 382 No. 13

出血リスクの高い患者におけるポリマー使用ステントと非使用ステントとの比較
Polymer-based or Polymer-free Stents in Patients at High Bleeding Risk

S. Windecker and Others

背景

経皮的冠動脈形成術(PCI)を受け,1 ヵ月間の抗血小板薬 2 剤併用療法を受ける出血リスクの高い患者において,ポリマー非使用の薬剤コーティングステントは,ベアメタルステントよりも優れた臨床転帰をもたらす.このような患者でのポリマー使用薬剤溶出性ステントの使用を,ポリマー非使用の薬剤コーティングステントの使用と比較したデータは限られている.

方 法

国際共同無作為化単盲検試験で,出血リスクの高い患者に対するポリマー使用ゾタロリムス溶出ステントの使用と,ポリマー非使用のウミロリムス(umirolimus)コーティングステントの使用とを比較した.PCI 後,患者は 1 ヵ月間の抗血小板薬 2 剤併用療法,次いで抗血小板薬単剤療法を受けた.主要転帰は 1 年の時点での,心臓が原因の死亡,ステント血栓症から成る安全性の複合エンドポイントとした.主な副次的転帰は標的病変不全,すなわち心臓が原因の死亡,標的血管心筋梗塞,臨床的に適応となった標的病変再行再建から成る有効性の複合エンドポイントとした.両転帰の非劣性を検証するための検出力を設定した.

結 果

出血リスクの高い患者 1,996 例が,ゾタロリムス溶出ステント群(1,003 例)とポリマー非使用の薬剤コーティングステント群(993 例)に 1:1 の割合で無作為に割り付けられた.1 年の時点で,主要転帰はゾタロリムス溶出ステント群の 988 例中 169 例(17.1%)と,ポリマー非使用の薬剤コーティングステント群の 969 例中 164 例(16.9%)で観察された(リスク差 0.2 パーセントポイント,片側 97.5%信頼区間 [CI] の上限 3.5,非劣性マージン 4.1,非劣性の P=0.01).主な副次的転帰は,ゾタロリムス溶出ステント群の 174 例(17.6%)とポリマー非使用の薬剤コーティングステント群の 169 例(17.4%)で観察された(リスク差 0.2 パーセントポイント,片側 97.5% CI の上限 3.5,非劣性マージン 4.4,非劣性の P=0.007).

結 論

PCI 後に 1 ヵ月間の抗血小板薬 2 剤併用療法を受けた出血リスクの高い患者に対するポリマー使用ゾタロリムス溶出ステントの使用は,安全性と有効性の複合転帰に関して,ポリマー非使用の薬剤コーティングステントの使用に対して非劣性であった.(メドトロニック社から研究助成を受けた.ONYX ONE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03344653)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 382 : 1208 - 18. )